ゲーム概要
スクウェアより1989年12月15日にゲームボーイ用ソフトとして発売されたロールプレイングゲーム。塔の頂に楽園があるという伝説を信じ、閉ざされた塔へ挑む。内部は異なる世界が階層ごとに広がり、四天王が支配する混沌の地。人間・エスパー・モンスターという異なる種族が力を競い、成長の仕方も多彩。肉を喰らい姿を変える魔物、戦闘後に突然変異する能力者、道具で己を鍛える人間、それぞれの選択が運命を分ける。
プレイ画面
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レビュー
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カズタマ
★★★★★ 5.0
投稿日:2025年11月2日
魔界塔士サガ
『魔界塔士サガ』は、塔を起点に複数の世界へ踏み込む旅を描くゲームボーイ初のRPGで、のちに「サガ」シリーズへ広がる独創性の原点が詰まった作品です。
プレイヤーは人間・エスパー・モンスターの三種族から四人を編成し、塔の各階層に通じる世界を攻略して上層の扉を開く鍵を集めますが、経験値やレベルの概念がなく、種族ごとに成長方法がまったく異なるため、育成と編成の工夫が攻略の手触りを大きく変えます。
人間は店で購入する強化アイテムで着実に伸び、エスパーは戦闘後の突然変異で能力や特技が入れ替わり、モンスターは敵の落とす肉で姿と性能がまるごと変化します。
武器・アイテム・特技には使用回数があり、宿で回復できるものと消費すると消えるものが混在するため、弾薬管理のような緊張感が常に伴います。
どこでもセーブできる設計は携帯機との相性がよく、短いプレイサイクルでも進捗を刻めますが、序盤は「ハート」消費を伴う復活コストが重く、無策な突撃は即座に立て直しの難しさへ跳ね返るため、装備補充やターゲット選択を含む計画性が求められます。
戦闘はターン制で、装備している武器や本がそのままコマンド名として並ぶ直感的なUIが特徴です。
属性特効のクリティカル一撃や銃火器・兵器・格闘・魔法が混在する“なんでもあり”の手札が小気味よいテンポを生みます。
世界観は中世風の大陸から竜宮城、雲の王国、現代都市までを横断し、上階に進むほど退廃が濃くなる構成です。
短いテキストながら殺伐としたイベントや辛辣なセリフが印象を残し、プレイヤーの心に強い余韻を残します。
開発初期の仮称が『ファイナルファンタジー外伝』であった背景から、武器名や魔法名にFF譲りの語彙が見られる一方、非レベル制の育成や使い捨て資源の設計は明確にサガ的な挑戦であり、後年のシリーズ作に連なる実験精神を強く感じます。
音楽は植松伸夫氏が担当し、通常戦闘・中ボス・ラスボスで楽曲が切り替わる演出は携帯機として破格です。
「魔界塔士」「怒闘」などの曲がドラマを力強く牽引し、プレイヤーを物語の世界に深く引き込みます。
本作は短時間でも進めやすいセーブ性と、尖った育成・資源管理・多層世界の構造が生む濃密な意思決定が魅力です。
自由なパーティメイクとリスク管理の駆け引き、そして心に残る音楽と物語によって今なお新鮮に遊べます。
携帯機RPGの枠を超えて戦略性と独創性を味わえる名作です。 -
ジーティン
★★★★★ 5.0
投稿日:2025年11月2日
運命と神に抗う物語
本作は、ゲームボーイ黎明期にスクウェアが初めて手がけたロールプレイングゲームであり、携帯型ゲーム機という制約の中で壮大な世界観と革新的なシステムを実現した意欲作である。物語は「塔」という象徴的な構造物を中心に展開し、冒険者である主人公がその頂上にあるとされる楽園を目指して旅立つところから始まる。塔の各階層には大陸世界、海洋世界、空中世界、都市世界といった異なる文明と支配者が存在し、それぞれの世界を牛耳る四天王を打ち倒しながら、冒険者は真実へと近づいていく。しかし物語の終盤、四天王を操っていた存在が「神」であることが明らかになり、世界そのものが神の退屈しのぎのために作られた“箱庭”であるという衝撃的な真実にたどり着く。この結末は、当時のRPGとしては極めて異色であり、プレイヤーに強烈な印象を残すものだった。
ゲームデザインの面では、種族ごとに異なる成長システムを採用した点が特筆される。人間はアイテムによる直接的な能力強化、エスパーは戦闘後のランダムな突然変異、モンスターは敵が落とす肉を食べて姿を変えるという独特な成長方法を持つ。これらの仕組みは、プレイヤーの戦略性を大きく左右し、リプレイ性の高さを生み出している。また、武器や防具の使用回数に制限があるなど、リソース管理の厳しさが緊張感を生む要素となっており、単調になりがちな携帯RPGに深みを与えている。
戦闘システムはターン制のコマンドバトルでありながら、装備している武器や能力がそのままコマンド名として表示されるというユニークな形式を採用している。プレイヤーが選ぶ行動が直接的にキャラクターの生死を左右するため、緻密な戦略が求められる。また、セーブがどこでも可能という設計は、携帯機という環境を意識した利便性を持ちながらも、場合によっては取り返しのつかない状況に陥る危険も孕んでおり、その緊張感がこの作品の冒険感を一層高めている。
ストーリー面では、各世界での人間ドラマが印象的である。大陸世界の三王の争いや、空中世界のレジスタンス姉妹の悲劇、都市世界の荒廃した未来的風景など、短いテキストながらそれぞれの階層が異なるテーマ性を持って描かれている。中でも、最上階で神と対峙する展開は、RPGというジャンルの枠を超えて“存在の意味”を問うような哲学的要素を含んでおり、後の『サガ』シリーズの根底に流れる思想性の原点ともいえる。
本作は発売当時、携帯機RPGという未知の分野でありながらミリオンセラーを記録し、その後のシリーズ化へと繋がった。北米では『The Final Fantasy Legend』としてリリースされ、ファイナルファンタジー外伝としての位置付けを得るなど、国際的にも評価を受けた作品である。さらに、ワンダースワンカラー版や携帯アプリ版、Nintendo Switch用『Sa・Ga COLLECTION』への収録など、後年まで愛され続けていることが、その影響力の大きさを物語っている。
本作の特徴は、種族ごとに異なる成長システム、使用制限のある装備による緊張感、重層的な世界構造、そして「神」という存在に挑む深遠なテーマ性にある。携帯ゲーム機の制約を超えた野心的な作品であり、RPGというジャンルの可能性を広げた歴史的なタイトルである。プレイヤーにとって単なる冒険ではなく、“運命と神に抗う物語”として心に残るだろう。ゆえに本作は、今なおRPGファンに強く推薦できる不朽の名作である。 -
★★★★★ 5.0
楽園。
これは面白かったなあ。少年の頃、白黒のどでかい初期型ゲームボーイで夢中になって遊んでいました。
この頃のサガには、たしかに冒険心をかきたてられるものがありましたね。
白黒でも、簡素な演出でも、たった1MBの容量でも、当時のわたしにとっては夢のようなアドベンチャーを楽しませてくれる、宝物のようなソフトだったのです。
楽園を目指してただもくもくと搭の頂上を目指していく、という世界観が良かったのだと思います。シンプルな設定だったからこそ、ごちゃごちゃ余計なことを考えずに冒険に集中できたのです。
小難しいストーリーであふれている昨今のRPGは見習って欲しいですね。複雑だからレベルが高い、ユーザーは満足するだろう、そんな単純なものではないのです。
楽園という最終到達目標のために、仲間と力を合わせて先へ進んでいく。少年の冒険心をこれほどたくみにかきたてる設定は、昨今のRPGにはなかなかないように思います。
楽園というユートピアを思い描いたとき、当時のわたしは夢見心地で幸せな幻想に酔っていました。
味方が肉を食べて変身するというシステムも良かったですね。ああいう良い意味でのいいかげんさが、わたしは好きです。 -
★★★★★ 5.0
あらゆる無駄を省いたRPGの神域世界。
素晴らしい、面白い、感動、この三言に尽きる。電源を入れて流れる音楽は美麗にしてどこかもの悲しさが伝わってくる。そしてプロローグは真っ白な画面に早送りできる文章のみで始まる。そしてもうゲームスタート。今のRPGはこの段階で何分待たされることか。イベント自体は余分な演出はない。容量がわずか1メガビットの為だがそれが逆に活かされていて、すっきりしていて素晴らしい。ゲームとしての面白さが伝わってくる。
物語の真相とそれぞれの世界の住人たちによるエピソードは百見の価値あり、戦闘シーンの進行もテンポがよく遊びやすいが歯応えはばっちり。そしてなによりこのゲームの魅力は植松伸夫氏によるシンプルな3和音による重厚な音楽だ…。彼の音楽はファイナルファンタジーシリーズを含めて言えることだが美しいがどこか悲しみにあふれているのだ…。特にサガ1は白黒でファイナルファンタジーよりも彼の音楽にマッチしていて何とも言えない雰囲気が漂っている。未プレイの方は是非とも白黒画面で構成されたゲームボーイ版でプレイして欲しい。エンディングはライブアライブにも負けまい素晴らしさがある。 -
★★★★★ 5.0
1MBの傑作
「GB初の本格RPG」として発売された意欲作です。世界観、戦闘システム、成長システム等、どれを取っても意欲的でした。
ゲームの目的は、塔の最上階にあるといわれる楽園を目指すことです。魔界塔士サガの世界は階層的になっていて、大陸世界、海洋世界、空中世界、都市世界、それぞれが一本の塔でつながっています。
『…多くの者たちがこの塔の秘密に挑んでいった。だが彼らの運命を知る者は無い。そして今、また一人…』というテロップが流れるだけのオープニングは味気ないですが、冒頭からだらだらしている昨今のRPGは少し見習うべし。
人間、エスパー、モンスター。これらの種族から自由に4人を選んでパーティを組みます。経験値の概念はありません。人間はアイテムで成長し、エスパーは戦闘によって成長し、モンスターは敵の肉を食べて変身します。弱いモンスターに変身してしまうことも。(なんでハエ男やねん!…みたいな)
一度ゲームをクリアしても、パーティを組み直して再挑戦する楽しみがあります。モンスターは武具等を装備できないため、モンスターだけのパーティでクリアするのは至難の業ですが、逆境を求める自虐的な方はぜひ。
武器は多彩で、剣や斧以外にも、火縄銃、手榴弾、果ては核爆弾、波動砲…、なんでもありです。
そして特筆すべきは音楽。ゲームボーイだから…といった妥協の一切感じられない、サガの世界観とマッチした完成度の高い曲ばかりです。
これら全てをわずか1MBのロムに詰め込んだのは驚異的です。
ストーリーの見せ方や演出は、昨今の華麗なRPGに比べるとかなり地味ですが、逆に、想像力で補う自由が残されています。 -
★★★★★ 5.0
「なんのようだ!」っていきなり言われるゲーム。
このゲーム、世界観も、演出も、ゲームシステムも秀逸です。
主人公たち冒険者は、ひとつの塔につながっているいろんな世界を渡り歩き、最終的に楽園にたどり着くのが目的。
どの世界もどこか陰りのある、なんともいえない雰囲気が漂います。
店の人に話し掛けると「なんのようだ!」って言う感じの対応。
これだけでも、この世界がどんな世界か、わかるような気がしませんか?
アイテムは何でも有り。
ゲーム中に一度しか使えない一撃必殺の武器があったりもします。
なんと言っても、ゲームシステムが秀逸です。
成長するのにLVというものはありません。
ステータスが、使う武器によって違うあがり方をしたり、
能力を突然覚醒させたり、
別のモンスターに変身したり・・・
この成長しシステムにおける自由度の高さが、何度も繰り返しプレイしてしまう原因なのでしょう。
また、全ての武器には使用回数制限があります。
どんなレアな武器でも、使うとなくなってしまいます。
なので、強い武器はボス戦にとっておこうとか・・・いろいろ考えるのも楽しいです。
このゲームのもう一つの注目点。それは、音楽です。
たった3和音のGBですが、このゲームではそれですら十分であると言うかのように見事に美しい旋律を奏でます。
ぜひステレオで聞いてください。
非常に作りこまれた音色、旋律に感動することでしょう。 -
★★★★★ 5.0
ロマサガやアンリミとは次元の違う素晴らしさ
Sa・Gaの特徴は何と言っても「武器に回数制限が有る」点と「レベルの概念が存在しない(モンスターレベルは除く)」点、「肉を喰べて変化するキャラクター」、そして「独特で味の有る台詞」でしょう。
普通、RPGの武器に使用回数制限は存在しません。弾数制限ならば有るかもしれませんが、「剣」系統の武器に至るまで回数制限が設けられているのはこのシリーズくらいのものではないでしょうか。形有るものはいずれ朽ちる、普遍の真理を見事に表しています。
レベルの無い代わりにモンスターは肉を喰べて、エスパーは各能力値が徐々に、そして人間はアイテムを使用してステータスを上昇させます。自分好みに成長させる事が可能という点ではこれ程の自由度は他に存在しないでしょう。武器も「こうげき」依存型、「すばやさ」依存型、無属性型と複数あり、「こうげき」値が1でも「すばやさ」が高ければ武器によっては大ダメージを与える事が可能です。よくある「こうげき=与ダメージ」の図式は成り立たないのです。
そしてその独特のシステムをこれ以上無く生かしているストーリーは秀逸。時に涙する程の哀しいストーリーも交え、種々の世界で起こる事件は終始一貫性があり、そして最終ボスの存在へと収斂していきます。やや早足の感も否めませんが容量を考えれば十分でしょう。
最初に1匹倒すのにも苦労するザコ敵が6匹まとめて出てきたりする点は如何なものかとも思いますが名作である事は疑いようがありません。
文句無しにお勧めです。古い作品だけにグラフィック面では見劣りしますが中身の面白さは未だ色褪せません。
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最終更新日:2025年11月2日 PR

























































