ゲーム概要

スクウェアより1998年11月12日にプレイステーション用ソフトとして発売されたアドベンチャーゲーム。プレイヤーは女子高生「瞳」の意識の中に入り込んだ男性になり瞳と共に、様々に襲ってくるトラブルに協力して立ち向かっていく。プレイヤーは身体を持たないため一切の行動ができず、瞳の意識に語りかけることで信頼度などにより瞳を動かすことができる独自の「ダイアローグシステム」でゲームを進行していくこととなる。

プレイ画面

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© 1998 スクウェア All Rights Reserved.

レビュー

  • ★★★★★ 5.0

    不自由さゆえの自由

    このゲームは主人公である葉山瞳の頭の中にプレイヤーが入って会話だけで進む。だから葉山瞳がどんな行動を取ってもプレイヤーは文句はいえない(ここが不自由な点)。しかし会話のバリエーションは多いのでそこがプレイヤーの自由な点となる。特にプレイヤーが男性の場合、ほとんど素の自分で会話ができるので非常に感情移入度は高い。それに現実の女子高生には話せないような会話もできる。実写だからといって食わず嫌いでいるのはもったいないゲームである。

  • ★★★★★ 5.0

    一生に一度は体験しておきたいゲーム

    このゲームは本当に隠れた名作です。
    実写だからって食わず嫌いしてる人はホント後悔しますよ。

    スクウェア(当時)という会社は国際的人気RPGを世に送り出してましたが、そのRPGのどれもが本来のRPGの意味を見失ってるんです。
    RPGとは本来、自分の役割を演じる……簡単に言えば妄想遊びの事でした。

    性格、容姿、言動、本来のRPGという遊びは、その全てを自分自身が決められる事に面白さがあります。

    要は私が言いたい事は、何もバトルをしてレベル上げをするだけがRPGではないという事です。

    もちろんFFを否定するわけではありません。
    私自身、とても好きなゲームです。

    アナザーマインドというゲームは、基本的に選択肢を選んで進める……一見するとどこにでもあるようなアドベンチャーゲームなんですが、一つ違うのは、その選択肢を自分流に加工して発言する事が出来る事です。
    もちろんただ加工するだけじゃなくて、場所によっては物語を自分の意思で分岐したりするシーンもありますが(まあ基本物語自体は一本道で進みますが…)。

    私にとっては、現在世に多く出ている、物語に特化したRPGより、アナザーマインドの“自己”に特化したゲームの方がよっぽど本来のRPGの形に近い気がします。

    レベル上げも無い、戦闘も無い、ただ平和な日常を生きるだけの主人公が居ても良いと思います。
    アナザーマインドは、アドベンチャーではなく、純正RPGそのものだと思います。

  • ★★★★★ 5.0

    隠れた名作、秀作。

    当時友人に借りてプレイして大ハマリ。ゲーム屋直行で即買い。
    ダイアローグシステムというこのゲーム独自のシステムがとにかく凄い!
    通常こういったアドベンチャーゲームでは三〜四つ程度の選択肢の一つ選んで会話なり物語を進行させていくのが手法だろうけど、このゲームは全然違う。
    まずこのゲームは主人公(プレイヤーの事ではなくここでは葉山瞳)の脳内にプレイヤーが入り、その中で瞳と会話をしながらストーリーを進めていくというのが大まかな流れなんですが、その会話内容というのが与えられた選択肢から選ぶのではなく、自分で作り上げるというのがこのゲームのミソ。
    作り上げると言ってもさすがに一文字一文字打ったり、直接マイクに声を出して会話をする訳ではないですが…。
    主語、述語、活用形等の各項目内から好きな言葉を選んで組み合わせ、プレイヤーの瞳に対する会話を作り上げていきます。
    このシステムが本当に面白い。瞳とのかなり自由度の高い会話が楽しめます。
    勿論ちゃんとその会話に見合った(完全にとはいきませんが)反応も返してくれますし。
    なので周プレイに苦痛は全く感じませんでした。
    寧ろグッド、バッドED見た後も瞳との会話目的のみでプレイしていたぐらい(因みに私は女です)
    シナリオ自体も上々。重々しすぎす、堅苦しぎず、通常の日常風景や笑えるシーン等のが息抜き要素が随所にあり(男性向け表現多々有)バランス的には良いと思います。

    スクウェア=RPGのみならず。御見それしました。
    文句無しにお気に入りの作品です。

  • ★★★★ 4.0

    本当に面白い スクウェアの異色実写アドベンチャー。

    当時のスクウェアといえばFFに代表されるような綺麗なCGを使ったゲームが多い印象ですが、このアナザーマインドは全編実写の異色なアドベンチャーゲームになっています。

    プレイヤーは主人公「葉山瞳」の意識の中に閉じ込められた「真野俊平」として、意識の中から葉山にアドバイスをし事件の解決をはかっていくゲームになります。

    また、アドベンチャーといっても「ストーリーを読んで定期的に出てくる選択肢の中から何かを選択する」といったスタイルではなく、自分で用意されている「主語」「述語」「修飾語」から文章を作り葉山に対してアドバイスをするという独特なスタイルになっています。

    実写ゲームというと、残念なゲームが多く抵抗がある方もいるかもしれませんがこのゲームは本当に面白いです。さすがに今やると古臭さや一度読んだ文章などのスキップ機能がないなどシステム面での不備はありますが、十分プレイする価値はあると思います。

    【※以下 ネタバレ注意】
    今作は通常のプレイでは多くのプレイヤーが最終章でバッドエンドを迎える可能性が高いです。(というか1回目はほぼ確実にバッドエンドになると思う… 下手するとハッピーエンドの存在に気づかず、バッドエンドしかない後味が悪いゲームと勘違いしてしまう可能性もある。)

    ただその分、ハッピーエンドにたどり着いたときの達成感はとてもあります。

  • ★★★★★ 5.0

    僕は・ゲームを・紹介するか?

    グラフィックに実写を採用したゲームは全体として見ればけして数は多くはないのですが、それだけに逆に目立つかもしれません。
    私個人の印象に限ってみたとしても名作、良作、怪作、駄作、いずれを取ってもなかなか尖った作品が多いかと。

    本作はスクウェアが九十年代末期にリリースしたソフトのひとつですが、青春とミステリー・サスペンスの両方を描きつつ、その当時を思い起こさせる色褪せない名作として私の記憶に残っています。
    後述しますが、本作で採用されたシステムもシナリオとの融和性が高く、とみに魅力的だったりします。

    物語は病室から。
    記憶喪失の謎の男「真野俊平(デフォルト:変更可)」の意識が、昏睡状態だった普通の女子高生「葉山瞳」の中でいきなり目覚めたところからはじまります。

    パッケージ裏では拒絶するような反応が描かれていてプレイヤーはびくっとするかもしれませんが、実際のゲーム中でそんなことはないのでご安心あれ。
    不安を抱えた者同士、一緒に「真野俊平は何者か?」という謎を追いかけてくれます。

    決定権はあくまで体の持ち主である「瞳」にありつつ、プレイヤーの選択肢は真野を介して行われる「ダイアローグシステム」による対話で働きかけ、話の進行と瞳の行動を誘導していけるというのがポイントです。

    アドベンチャーはシステムとシナリオが接点というより、密接につながっているジャンルなのですが、中でも到達点のひとつなんじゃないかな? と思うくらいに好きです。

    主語「僕は・君は・○○は」など。
    述語「隠れる・使う・逃げる」など。
    修飾語「ロッカーに・ベッドに」など。
    最後に活用語尾に命令・疑問・肯定・否定。

    場面に応じて提示される一文の要素を組み合わせることで多様な選択肢を提示できるのが本作の強みです。
    初見でもかなりわかりやすく、「瞳」が実写採用によって四○○パターンとも言われる多様な表情で反応を示してくれるので本当に密接に関わっていけるんですよ。

    表情差分によるリアクションの違い、変化を瞬間瞬間アニメーションで提示してくれるので張り合いがあるというか。
    横柄な対話をするのが申しわけなく感じられ、実際選択によって上下する隠しパラメーター「信頼度」「好感度」「おちゃめ度」の存在と、それによって選べる選択の幅もそれを補完しています。

    おちゃめ度を上げたプレイは特に必見、章の進行につれ瞳が心を開いてくれる中、緊迫した場面の合間で彼女を和ませるようなボケツッコミが冴え渡ります。
    無論プレイスタイルは人によりけりなのでしょうが、真野俊平が結構自己主張するタイプに思えることもあって顔が無いのに主人公やってる感があります。

    もちろんゲームの性質上、全編で身体を張るのはか弱い女の子の瞳なんですが、強いて言うならダブル主人公でしょうか。
    主人公とプレイヤーが別々に、けれど同時にゲーム上に存在している、と言ってもいいかもしれません。

    また「ツッコミ」というか、対話がプレイヤーの任意で行えるタイミングも随所に提示されています。
    「意識」しかないって制限だらけなのに、選べてるって実感が得られるのはなんでなんでしょうね。
    人は不自由という牢獄の中で初めて自由を実感するのかもしれません。

    で、少しネタバレします、読みたくない人は目をつぶってちょっとだけスクロールしてください。

    主人公=プレイヤーで没入するタイプの作品ではあるんですが、記憶喪失の主人公の正体を追っていくストーリーラインである以上、実は主人公には明確なプロフィールが存在します。

    ここまで。
    なんにせよ、主人公像をプレイヤーで作って寄せていくと考えれば、多少選択の幅が狭まっただけで問題ないのかな。
    ちなみに私の場合「年上で余裕ぶってるけど意外と子供っぽい素敵なお兄さん」を想定してプレイしてたりします。今でも彼には憧れます。

    ちなみに全九章とコンパクトにまとまっているので一周当たりのプレイ時間は五?七時間程度と手軽な範囲かなと。
    瞳が返してくれる反応の細かい差を楽しんだり、一周目では避けられなかった悲劇をハッピーエンドに変えたりと、最低二周、私の場合は五周は余裕で出来ました。

    早速サスペンスな導入編、一章「あなたは誰?」。
    因縁が絡む学園ドラマ、二章「TIAMATの呪い」。
    色気はないけど、変な人は出る温泉回、三章「明神池の怪」。
    時間制限と一撃死の脅威が迫る、四章「夕暮れ爆弾男」。
    無限と夢幻が結ばれる切なさ、五章「夢猫」。

    奇妙な同居生活の中、数々な事件を解決しつつ間章で「真野俊平」の謎を追うふたりなのですが、事件ごとにジャンルというか性質が違うので結構飽きませんね。
    悲劇を回避しても、事件の本質は案外ほろ苦かったりでこの辺も私の好みです。

    六章「メリーゴーランド」からは「意識と自我」についてこのゲームの本質について。
    「意識」を飛ばすという超能力を持った少女「渡瀬鈴」を糸口に一気に真相に迫っていきます。
    しりとりをしながら囚われの身から脱出したり、爆弾の心理を読んで赤か青のお約束の二択を選んだり、ここからは緊迫感が増していきます。

    最終章「アナザー・マインド」はここまで紡いできた思い出と絆のすべてを黒幕に叩き付ける、このゲームのすべてを象徴する対決が待っています。
    難易度は高く、すべて間違えてもすべて正しくても最悪のバッドエンドに辿り着くという意地悪な仕掛けになっていますが、その分自力でグッドエンドに到達できた時の達成感と感動は一際大きいものと思います。

    ちなみにキャストは二十年前でも熱血刑事といえばこの方な「山下真司」を筆頭に二十年後だからこそ通用するネームも散見されたりで、結構気合が入っています。
    さらに二十年後はわかりませんが、この当時の雰囲気と登場人物の性格は外していないと思います。
    松下恵さんが演じられた葉山瞳は永遠のヒロインですし。

    サウンドは『デュープリズム』や『ファイナルファンタジーX』でも作曲を担当された仲野順也氏。
    この当時がネットサイト上でのMIDI全盛期というわけではないでしょうが、実は全曲MIDI音源だったりするんですよ。

    だからと言ってチープかと言えばそんなことは全くなく、ここまで幅広く表現できるのか、音源の味を活かし切っているなと感じました。

    リフレインの利いたメインテーマをはじめに日常、学園、緊迫、夢幻など様々な環境を演出する音楽が揃っています。とりあえず「自我増幅」はトラウマ。
    反復ってのは焦燥感と安心感、どちらにも通じるんだなあって思います。

    総じて。
    後続に大いに続いてほしい、けれどこのシナリオ・ゲームコンセプトだからこそ映えたシステム。
    実写採用による演出の素晴らしさと拓けた可能性。
    「対話」を通して「自我」のありかを認め直す、そんな哲学というか強固なメッセージ性。

    どれを取っても、いやすべて揃っているからこそなおさら輝く、埋もれるには惜しい名作です。
    あなたにもうひとつの意識がなくったって、自問自答を繰り返していると言われればそれまでかもしれません。
    だけど、冒険を通して別の自分を見つけられれば……?

    君は・このゲームを
    僕は 別のゲームを・遊ぶか?
              遊ばない
              遊べ  
              遊ぶ

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最終更新日:2022年5月26日 PR