デュアルオーブシリーズは、1990年代初頭にI’MAXから発売されたスーパーファミコン用ロールプレイングゲーム(RPG)で、ファンタジー要素が満載の世界観と魅力的なキャラクターたちがプレイヤーを虜にしています。この記事では、シリーズの始まりである『デュアルオーブ 聖霊珠伝説』から、その続編『デュアルオーブII』に至るまでの物語、ゲームシステム、そして受けた評価について詳しく掘り下げていきます。
デュアルオーブ 聖霊珠伝説
1993年4月16日、『デュアルオーブ 聖霊珠伝説』がスーパーファミコンで発売されました。このゲームは、主人公ラルフとその仲間たちが邪悪な力「パンジェ」を封印するため、ドラゴンが支配する広大な世界を冒険する物語です。ゲームの特徴的なシステムとして、セーブデータをロードするたびに、これまでのストーリーが要約されて表示される機能があります。これにより、長期間ゲームから離れてしまったプレイヤーでも、物語の流れを容易に追うことが可能です。
開発はプリズム企画が手がけ、宗清紀之がプロデューサー、北角浩一がシナリオを担当しました。音楽やグラフィックデザインなど、ゲーム制作に携わったスタッフはその他にも多数います。これらのクリエイターたちの手によって、『デュアルオーブ 聖霊珠伝説』は多くのファンを魅了しました。
ストーリー
「ドラゴン」という名の絶対的な存在が支配する二つの世界。
地上の小さな村に住む15歳の少年ラルフは、ドラゴンの声を聞き邪悪の源「パンジェ」を封印する旅に出る。
使命を同じくする仲間、そして地底世界の少女リズと出会ったことで、彼の冒険は波乱に満ちたものとなっていく。
登場人物
デュアルオーブのキャラクターたちは、それぞれ異なる特性と役割を持っており、バランスの取れたパーティー編成が求められます。彼らの個性を活かし、戦略的な戦いを展開していく必要があります。ここではデュアルオーブの登場人物についてご紹介します。
ラルフ
ドラゴン・ラーゼスに選ばれた少年。体力と防御力、攻撃力に優れた戦士タイプです。物理攻撃に強い一方で、魔法への耐性は低いので注意が必要です。
テオ
ドラゴン・ラーゼスに選ばれた少年で、僧侶として育てられました。多くの回復魔法を習得し、パーティーの命綱として活躍します。能力は平均的ですが、やや打たれ弱い傾向があります。
リズ
地底世界からやって来た少女。ラルフと同様に物理攻撃を得意とし、素早さが高く便利な技を習得します。攻撃力は若干低いですが、活躍の場は多岐にわたります。
ルミエス
妖精族の少女で、ラーゼスの意思によりラルフ達に同行します。魔法に関する能力は随一ですが、体力と防御力は最も低いため、HPの管理には特に気を配る必要があります。
スタッフ
- エグゼクティブプロデューサー: 今成一雄
- プロデューサー: 宗清紀之
- シナリオ: KITAYAN(北角浩一)
- 音楽: LUCKY-7
- その他、プログラマーやグラフィックデザイナーなどが参加。
評価
『ファミコン通信』では25点(満40点)、『ファミリーコンピュータMagazine』では18.86点(満30点)を獲得し、当時のスーパーファミコンゲームとしては平均的な評価を受けました。特に、ストーリー再開時の解説システムは評価されましたが、全体的には革新性に欠けるとの声もありました。
デュアルオーブII
1994年12月29日には、『デュアルオーブII』が発売され、シリーズはさらにその世界を広げていきました。この続編では、科学文明の崩壊から数年後の剣と魔法が支配する世界が舞台となります。主人公は、大司祭に育てられた少年アレスと、彼の幼馴染である王子ラグナスです。二人は伝説の「魔法石」を巡って運命に翻弄されます。『デュアルオーブII』は、前作を超える深みのある物語と、特徴的な武器スキルアップシステムが特徴です。このシステムにより、プレイヤーはより戦略的な戦闘を楽しむことができます。
ストーリー
辺境の王国「カレイド」。大司祭の元で育てられた少年アレスは、幼馴染の王子ラグナスと共に平和な日々を過ごしていた。
しかしある日、遺跡に眠る秘宝を求めて強大な軍隊がカレイドに押しよせる。
カルドーサとハイランディア。2つの大国が支配する世界の均衡は、カルドーサが手にした「科学」の力の前に崩れ去っていた…。
登場人物
デュアルオーブ2の登場人物は多彩で、それぞれが独自の特性を持っています。戦略を立てる上で、彼らの能力や特技を上手く活かすことが重要です。デュアルオーブ2に登場する主要キャラクターを紹介します。
ラグナス
カレイドの王子。攻撃力が高く、強力な武器を入手しやすい。イベントで攻撃魔法も習得し、信頼できる存在です。
コーネリアス
旅の吟遊詩人。呪歌の使い手でありながら、高いHPと防御力を持ち、戦士としても活躍します。
セラ
サレスの神殿に封印された少女。独自の回復魔法を持ち、銃を扱います。後列に配置する必要がありますが、強力なサポートを提供します。
サラディン
盗賊ギルドの長老の息子。攻撃魔法を習得し、万能タイプの魔法戦士に成長します。後列に配置するのが基本です。
ナジフ
森に住むグリカ族の長の血を引く少年。戦闘中は獣の姿に変身し、自動で敵を攻撃します。NPCですが、防具の変更は可能です。
カーライン
ハイランディアの王女。剣と弓を扱う戦士で、高い防御力を持ちます。前列に配置し、戦いをリードします。
バルガン
ガドモスの海賊の頭領。高い攻撃力と防御力を誇り、他のキャラに攻撃させる特技を持っています。
まとめ
デュアルオーブシリーズは、1990年代に発売された二つのゲームからなるRPGシリーズで、独特の世界観とキャラクター、そして革新的なゲームシステムで多くのファンを魅了しました。『デュアルオーブ 聖霊珠伝説』から始まり、『デュアルオーブII』でその物語はさらに深まり、ファンタジーRPGとしての地位を確立しました。両作品ともに、当時としては平均的な評価を受けながらも、熱心なファンに支持され続けていることから、その魅力が今も色褪せていないことが伺えます。