【ラストバイブルシリーズ】魔獣と共に歩む女神転生の外伝RPG

ゲームシリーズ
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この記事では、女神転生外伝 ラストバイブルシリーズについて、シリーズ全体の特徴や世界観、システムの方向性をわかりやすく解説しています。魔獣との共存を軸にした物語や、携帯機向けでありながら重厚な内容を持つ点など、シリーズの魅力を整理して紹介しています。

シリーズの概要

シリーズの概要
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女神転生外伝 ラストバイブルシリーズは、アトラスが発売したRPGで、『女神転生』の派生作品にあたります。ゲームボーイを中心に展開し、仲間を集めたり合成して強化したりする遊びを取り入れつつ、舞台は架空世界寄りでファンタジー色が強いのが特徴です。本シリーズでは悪魔ではなく「魔獣」と呼び、合体も「魔獣合成」として表現されます。多くの作品はトップビューの2D視点で、携帯機でも遊びやすい作りになっています。一方で、魔獣との共存を大きなテーマにし、予言や戦争、禁断の研究、管理社会の闇など重い展開も描かれます。のちにカラー版やバーチャルコンソール配信、復刻機への収録も行われました。

シリーズの魅力

魔獣との「共存」を中心にした物語とシステムの一体感

魔獣との「共存」を中心にした物語とシステムの一体感
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ラストバイブルシリーズのいちばん大きな魅力は、魔獣をただ倒す敵として扱わず、同じ世界を生きる存在として描いている点です。戦闘のなかで魔獣と会話し、説得して仲間にできる仕組みは、単に戦力が増えるだけではなく、「関係を結ぶ」感覚を作ります。しかも交渉は主人公だけの特権ではなく、仲間キャラクターや仲魔も交渉に関わる場面があり、パーティ全体で魔獣社会に踏み込んでいく印象が強まります。さらに、合体ではなく「魔獣合成」と呼ぶことで雰囲気をファンタジー側に寄せつつも、やっていることは本格的で、強い魔獣を得るために素材を選び、結果を受け止め、次の育成へつなげていく流れが続きます。作品が進むとリアルタイムトークのように、返答の早さや沈黙が交渉の結果に影響する仕組みも入ってきて、魔獣との距離感がさらに繊細になります。卵を守って孵化させたり、訓練所に預けて成長させたり、骨を集めて特別な形で復活させたりと、仲間の増やし方にも複数の道が用意されているため、「話して仲間にする」ことがシリーズの中心でありながら、同じ方法の繰り返しに偏りません。物語面でも、共存を目指す国や人物が描かれる一方で、恐怖や欲望から共存を壊してしまう動きも描かれ、魔獣と人(あるいは神々)の関係が、戦いの理由そのものに結びついていきます。システムで体験する「仲間になる」「一緒に生きる」という流れが、ストーリーのテーマと重なっていることが、シリーズ全体の強い魅力です。

携帯機らしさと本格さを両立した遊びごたえ

携帯機らしさと本格さを両立した遊びごたえ
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このシリーズはゲームボーイ向けとして出発し、遊びやすさを意識した設計が随所にあります。たとえば初期作品では、どこでもセーブできる仕組みや、資源の扱いを分かりやすくしたマグネタイトのアイテム化など、短い時間でも区切りよく遊べる工夫が見られます。トップビューの2D視点が基本になっていることも、迷わず進みやすい形として携帯機に合っています。一方で、遊びやすいからといって内容が薄いわけではありません。ゲームオーバー時に所持金の半額を支払って復帰する仕組みは、やり直しの道を残しつつ、失敗の重みも残しますし、続編以降ではダンジョン内でセーブができない場面が増えるなど、緊張感を強める方向にも振れています。月齢システムの復活によって、交渉や合成、戦闘が状況で変わる要素が戻り、同じ相手でも条件次第で結果が動くため、単純な力押しでは安定しません。IIIでは時間経過で月齢が変わり、人間と魔獣の強さが逆転する設定もあり、進行ルートや戦うタイミングを考える面白さが増します。合成も作品が進むほど工夫が増え、魔法の継承やミューテーション、特殊種の扱いなど、育成の設計が細かくなっていきます。さらに、外伝の枠に収まらない変化として、アナザ・バイブルではシミュレーションRPGに挑戦し、速さ順に動くRATSや、合体の代わりにバイオ合体を導入するなど、同じシリーズの土台を使いながら遊びの質を大きく変えました。スペシャルでは3Dダンジョンを採用して迷宮攻略と育成に寄せるなど、作品ごとに「携帯機で遊べる形」を守りつつ、同じ型には閉じこもらない姿勢が見えます。この遊びやすさと本格さの両立が、シリーズを通しての魅力になっています。

世界観の「ハードさ」と、作品ごとの語り口の変化

世界観の「ハードさ」と、作品ごとの語り口の変化
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ラストバイブルは低年齢層も遊べる入口を用意しながら、世界観やストーリーは決して軽くありません。魔獣と共存するというテーマは温かい言葉に見えますが、物語の中では、共存を壊す暴力や恐怖、禁断の研究、権力の暴走といった重たい要素がはっきり描かれます。Iでは、ガイアという超自然的な力を使う存在が文明を築いた古い時代を背景にしつつ、突然現れた魔獣の謎を追う旅が始まり、世界の維持に関わる宝物や組織の思惑が絡んでいきます。しかもゲームギア版では追加要素によって結末が変わるため、同じ物語でも「選ばれる道」や「意味合い」が揺れ、物語を一度きりの正解に固定しません。IIでは、予言による恐怖が赤子の大量虐殺につながるという、はっきり悲惨な事件が過去として置かれ、そこから15年後に主人公が成長して動き出す構成になっています。共存を望む国がある一方で、恐怖にとらわれて他者の犠牲をいとわない権力があり、さらに生命創造の研究が「オニ」のような存在を生み、世界の歪みを広げます。IIIになると、戦争後の平和を支える永久機関が、実は人の命を資源として消費する仕組みだという非人道性が語られ、社会の便利さと残酷さが表裏一体として描かれます。英雄部隊の記憶処理や暗殺計画など、個人の善悪では片付かない巨大な仕組みの怖さが前面に出て、子どもたちがそれに立ち向かう物語として緊張感が高まります。アナザ・バイブルでは、世界を書き換えられる書物をめぐる争いが中心となり、勢力図がはっきりした冒険譚の形を取りつつ、人間と魔獣の争いを止めようとする意志が物語を動かします。こうして見ると、シリーズは一貫して厳しいテーマを抱えながらも、神話的な始まり、予言と悲劇、管理社会の闇、戦術的な群像劇、迷宮攻略中心の外伝と、作品ごとに語り口を変えています。その変化が、同じテーマを別の角度から見せ、シリーズ全体を単調にしない魅力につながっています。

シリーズの一覧

女神転生外伝 ラストバイブル

女神転生外伝 ラストバイブル
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シリーズの出発点となる『女神転生外伝 ラストバイブル』は、1992年12月23日にゲームボーイで発売されました。その後、1999年にゲームボーイカラー版が登場し、さらに2012年にはニンテンドー3DSのバーチャルコンソールでGBC版の配信も行われています。海外では1999年にゲームボーイカラーで『Revelations: The Demon Slayer』という題名で発売されたことも知られています。

この作品は移植の面でも特徴があります。ゲームギアにも1994年に移植され、基本のシステムや物語の流れはゲームボーイ版に近い一方で、魔獣の絵が全面的に描き直されるなど、見た目や演出が強化されました。BGMの一部やキャラクターの性格付けが変わっている点もあり、単なる移植にとどまらない「アレンジ版」としての存在感があります。さらに追加のストーリーが用意されたことで、結末そのものがゲームボーイ版とは別物になるのも大きな違いです。そしてこのゲームギア版は、2020年10月6日に発売された復刻機「ゲームギアミクロ」の「レッド」に、複数作品のうちの一本として収録されました。同じ復刻機には、後述する『ラストバイブルスペシャル』も入っています。

女神転生外伝 ラストバイブル
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ゲームとしての仕組みを見ると、「外伝」と名乗るだけあり、独自色がかなり強い作りです。まず通信による対戦モードがあり、友達のパーティーと戦える要素が用意されています。また、主人公側の主要メンバー3人が全滅するとゲームオーバーになり、所持金の半分を支払うことで最後に泊まった宿屋から再開できる仕組みになっています。月が存在しない世界という設定のため月齢システムはなく、ここは女神転生の「月齢で会話や合体が変わる」感覚とは異なる部分です。マグネタイトは「通貨のように消費し続ける資源」ではなくアイテム扱いになり、魔獣のほこらで別アイテムと交換できるようにされています。さらにセーブがどこでもできる点は、携帯機で遊ぶことを考えるとかなり大きな利点です。キャラクターデザインでは、シリーズ中で唯一、主人公が金子一馬のデザインになっている点も注目されます。音楽は簗田裕之と光永巌が担当し、簗田裕之は続くII・IIIも担当しています。

魔獣とのやり取りは本作の中心です。主人公だけが交渉するのではなく、サブキャラや仲間になった魔獣も交渉を行い、成功すると仲間にできることがあります。ただし主人公以外の交渉は内容が表示されず、「交渉中」とだけ出るため、何がどう作用しているか想像しながら進める感覚もあります。敵側から話しかけてくる場面が多いのも特徴で、戦闘がただの殴り合いではなく、言葉の駆け引きが混ざるゲームになっています。

女神転生外伝 ラストバイブル
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合成は「魔獣合成」として扱われ、サブキャラの魔法「コンバック」によって仲間の魔獣を合成し、新しい魔獣を生み出せます。ときどき予定と違う魔獣が生まれる「ミューテーション」もあり、ここで生まれた魔獣は合成できないという扱いになっています。さらに「ほね」というアイテムを集めて特定の場所に持っていくと、ゾンビとして復活して仲間になる要素もあります。ゾンビは別の場所で蘇生してもらえる仕掛けがあり、合成できない代わりに、別ルートで戦力を整えていく楽しさが用意されています。

魔法の性格は女神転生に近いところもありますが、独特なルールもあります。たとえばランカ系の攻撃魔法は、何度か唱えないと発動しない仕組みです。強いものほど必要回数が増えるため、先を読んで準備する感覚が生まれます。蘇生系の魔法は戦闘中に使えないなど、便利さを抑えることで緊張感を作っている部分もあります。主要な町へ瞬間移動できる魔法があるなど、移動の工夫もされています。

女神転生外伝 ラストバイブル
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物語は、非常に古い時代、神や悪魔という呼び名が定まっていないころから始まります。太陽系の第五惑星では、「神」と呼ばれる存在が超自然的な力「ガイア」を使い文明を築いていました。主人公エルは訓練を受けていた少年で、突然現れて人々を襲い始めた「魔獣」たちの謎を追うため旅に出ます。登場人物の名前には神話の神々や天使を思わせるものが多く、人間の物語というより「神々の世界の出来事」を見ているような雰囲気が出ています。旅の中でエルは魔獣と心を通わせる力を使い、導かれながら「フォース」に目覚めていく流れも描かれます。オリハルコン、ガイア、ゾード、方舟などのキーワードが物語の骨格になり、単に敵を倒して終わるのではなく、世界の成り立ちや対立の理由に踏み込んでいく構造が見えます。ゲームギア版では追加要素によって結末に差が出るため、同じ『ラストバイブル』でも、遊ぶ版によって受け取る印象が変わる作品です。

ゲームソフト

ゲームボーイ版
駿河屋 -女神転生外伝 ラストバイブル(ゲームボーイ)箱・説明書欠け
ゲームボーイ(GAME BOY)用ソフト
ゲームボーイカラー版
駿河屋 -女神転生外伝 ラストバイブル(ゲームボーイ)
ゲームボーイ(GAME BOY)用ソフト
ゲームギア版
駿河屋 -女神転生外伝 ラストバイブル(ゲームギア)

女神転生外伝 ラストバイブルII

女神転生外伝 ラストバイブルII
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続編の『女神転生外伝 ラストバイブルII』は、1993年にゲームボーイで発売され、1999年にゲームボーイカラー版が出ました。さらに2012年には3DSのバーチャルコンソールでGBC版が配信されています。前作と比べてパッケージのキャラクター表現がより漫画的になり、頭身が低めになっている点が特徴として語られています。見た目の親しみやすさを強めつつ、中身はむしろ細かな仕組みが増え、交渉の緊張感も強くなっていきます。

ゲームのルールでは、主人公とサブキャラが全員気絶するとゲームオーバーになります。復帰の仕組みは前作と似ていて、所持金の半分を払って宿屋から再開できますが、舞台が地球に移ったことで月齢システムが復活します。月齢は会話、合体(合成)、戦闘にも影響するため、同じ魔獣相手でも状況が変わることがあります。マグネタイトは前作と同じくアイテム扱いですが、魔獣の店で交換に使えるほか、ワナの餌として使えるようになり、戦い以外の方法で魔獣を得る道が広がりました。セーブに関してはダンジョン内でできなくなるなど、遊びやすさよりも緊張感を優先した作りが見られます(例外はあります)。

女神転生外伝 ラストバイブルII
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会話システムの大きな変化が「リアルタイムトーク」です。相手の質問に対して返事を選ぶまでに時間がかかると、「考え込んでいる」と受け取られたり、「聞いていない」と受け取られたりして、交渉が悪い方向へ進む場合があります。交渉が決裂すると、仲間をさらって逃げることもあるため、仲間集めが常に安全とは限りません。こうした仕組みは、魔獣との関係を「捕まえるだけの作業」にしないための工夫にも見えます。

仲間としての魔獣も強化されました。一定のレベル差までなら仲間にできるなど条件があり、さらに武器や防具を装備できるようになります。能力値を上げるアイテムを魔獣にも使えるため、育成の幅が増えました。魔獣を得る方法も、会話以外にワナで捕まえるやり方があり、マグネタイトを仕掛けることで主人公と同レベルの魔獣を狙える仕組みになっています。ただし失敗してマグネタイトだけ取られることも多く、うまくいくとは限りません。卵から孵化する魔獣も登場し、戦闘中に卵を守ることでHPが増え、一定まで育つと仲間になるという育成要素もあります。訓練所に預けて成長させる仕掛けもあり、成功すれば上位種族に伸びますが、失敗して低くなることもあるため、運や判断が絡む面白さがあります。前作の「ほね」に関する要素も形を変えて残り、場所によってゾンビ化できたり、「ミュートの種」で復活できたりします。

女神転生外伝 ラストバイブルII
© 1993 アトラス All Rights Reserved.

合成は、合成師のいる場所やサフィアの魔法コンバックで行えるようになり、月齢によって合成後の能力が変わる点も重要です。装備していた武器や防具が合成後の能力へ影響する場合があり、うまくいけば能力が上がりますが、変わらないこともあれば、逆に落ちることもあります。ミューテーションは基本的に他の仲間と合成できないものの、ミューテーション同士なら合成できるという例外があり、特殊な存在同士で別の道が開く設計です。また、戦闘で魔獣に使うとデータが表示される「ノート」など、情報収集に役立つ仕組みも用意されています。

物語は、第五惑星の崩壊から始まる大きな歴史の流れを背景にしています。人間と魔獣が第三惑星テラをめぐって戦争をし、生き残りがわずかになった後、2000年が経って共存の平和が築かれている世界が舞台です。そこへ預言が持ち込まれ、魔獣王グライアスが復活するという話が王を恐怖に追い込み、赤子を皆殺しにする命令につながります。その悲劇から15年後、森で魔獣に育てられた少年ユーリが主人公として登場します。彼は魔獣を大切に思う心優しい人物であり、幼いころの事件と国の恐れが、世界全体を巻き込む争いへつながっていく構図が見えてきます。

女神転生外伝 ラストバイブルII
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登場人物には、合成魔法を使うサフィア、伝説の国ブランティカを追う冒険家エサウ、マゴク側のガイアマイスターであるガンズー、そして前作から続く名前を持つゾディアなどが現れます。さらに、生命創造の禁断研究を進めるメドクや、研究から生まれた新しい存在「オニ」など、世界の危うさを強める要素も盛り込まれています。キーワードとしては、グライアス、バアルの書、ベクレル合金、黄金の都ブランティカなどが重要で、物語は「共存を目指す国」と「恐怖から暴走する国」の対比を軸にしながら、禁断の研究が悲劇を重ねていく方向へ進みます。平和に見える世界が、過去の傷と予言の力で簡単に崩れるところに、シリーズらしい厳しさがあります。

ゲームソフト

ゲームボーイ版
駿河屋 -女神転生外伝 ラストバイブルII(ゲームボーイ)
ゲームボーイ(GAME BOY)用ソフト
ゲームボーイカラー版
駿河屋 -女神転生外伝 ラストバイブル2 カラー対応版(ゲームボーイ)
ゲームボーイ(GAME BOY)用ソフト

ラストバイブルIII

ラストバイブルIII
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『ラストバイブルIII』は、1995年3月4日にスーパーファミコンで発売されました。のちに2015年にはWii Uのバーチャルコンソールでも配信されています。携帯機から据え置き機へ移ったことで、物語のスケールや描写の幅も広がり、主人公である子どもたちが巨大なポリス国家の陰謀へ立ち向かっていく過程が描かれます。さらに、ガイアと呼ばれる力を成長させることで、子どもたちの能力を自分の方針で伸ばせる、と説明されている点もこの作品の特徴です。

会話はIIと同じくリアルタイムトークが採用されますが、選択肢を選ばなければ沈黙として扱われます。また、魔獣の感情が「普通」「喜び」「怒り」「おびえ」などとして示され、好感度も表示されます。交渉が見える化されたことで、何が起きているか分かりやすくなった一方、対応を間違えると感情が変わって不利になる点は変わりません。月齢の扱いも進化しており、時間の経過で月齢が変化し、満月では人間が強く、新月では魔獣が強くなるよう設定されています。戦いの強さが状況で変わるため、同じ場所でもタイミングで難しさが動きます。

ラストバイブルIII
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ゲームオーバーは、主人公たちが全員気絶すると発生し、タイトル画面へ戻される形です。宿屋復帰のような救済とは違うため、戦闘の重みは増しています。合成は合成師のところ、または魔法コンバックで行い、合成の際に魔法を継承できるようになります。合成前の2体が持っていた魔法から2つを選んで引き継げるため、単に強い魔獣を作るだけでなく「どの魔法を残すか」という戦略が生まれます。ミューテーションで特殊な魔獣(ミュート)が出る仕組みもあり、さらにアイテム「ミュートの種」を使って意図的に発生させることもできます。ホネを集めて骨合成師に渡すと、ガイコツやゾンビ系の魔獣(マイラル)を合成してくれる要素もあり、復活や変化の遊びが続編でも続いています。

卵から仲間になる魔獣の要素も引き続き登場し、戦闘で守ってあげると孵化して仲間になる、という「守ることで仲間になる」形が残されています。さらに「百魔問答」という要素では、会話成功を積み重ねると特殊な魔獣が現れ、交渉に成功すれば仲間にできる仕掛けがあります。魔獣カードを手に入れるとデータを確認できるようになりますが、特殊な魔獣にはカードがないなど、すべてが同じ枠に収まらない設計も見えます。魔獣自身もレベルアップしますが、上がる上限があるなど、無限に育てるのではなく、成長の先に「上位種へ変化する」といった変化が用意されています。さらにS&Wに預けて調教してもらったり、信号弾で戦闘中に助っ人として呼んだりできるなど、仲間の使い方も幅が広がっています。マグネタイトはアイテムとして集め、魔獣の店で別アイテムと交換できる点はシリーズらしい要素です。

ラストバイブルIII
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物語は、ラピス鉱石というエネルギーをめぐる争いが続いた世界から始まります。5大ポリス戦争が30年続いた後、永久機関フェレストの発明によって戦争が終わり、人々は平和を取り戻したように見えます。しかし15年後、世界に不穏な事件が起き始めます。ラガの村のグレンは旧友アレクを訪ねようとしますが、突然訃報が届き、死の真相を探るためメガロ・ポリスへ向かいます。同じころ、別の村では子どもたちが惨殺される事件が続き、魔法学校の教師キャルルは故郷の事件を解決するため帰郷します。そしてメガロ・ポリスではガイア(魔法)の使用を兵士以外に禁じる法案が通り、魔法学校側は抗議に動くことになります。こうした複数の事件が同時に進み、世界が一気にきな臭くなっていく導入が用意されています。

主人公は子どもたちで、シエル、弟のルディ、幼馴染のモチョワ、友人のアロンなどが中心に描かれます。ルディはガイアが弱い一方で「フォース」という稀な力を秘め、動物と心を通わせる力を持ちます。チビりゅうや古代文明が生んだ戦士ドゥーなど、仲間になる存在も含めて、ファンタジーと文明の要素が強く混ざる世界です。一方で、ポリス国家側の仕組みや政治的な力も濃く、たとえばフェレストの「表向きの評価」と「隠された実態」の差が物語の重要な軸になります。フェレストは無害なエネルギーを供給し生活を豊かにした発明として称えられますが、実際は生きた人間からガイアを吸い取りエネルギー源にする非人道的なシステムだと説明されています。英雄として称えられたシャドー・ウォーカー部隊が、記憶の消去や暗殺計画に巻き込まれていく背景も描かれ、戦争の後に残った「隠したいもの」が現在の社会を歪めていく構図が浮かびます。

ラストバイブルIII
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登場人物には、バウンティ・ハンターとして生きるリンクルや「死神」と呼ばれるラモン・イエーガー、そしてメガロポリスの元老院議員でありフェレスト発明者のベンショーハなど、立場の違う人物が多数います。ベンショーハは人気と支持を集める一方で、その正体や目指す管理社会の姿が、主人公たちの反感を買う流れへつながります。さらに、古代文明ブランティカの遺産であるネクロノミコンやメモリーストーンなどが絡み、時間や文明のスケールで物語が広がっていきます。共存を軸にしてきたシリーズの中でも、IIIは「社会そのものの仕組みが人を傷つける」方向へ踏み込み、子どもたちが巨大な仕組みに抗う話として強い印象を残します。

ゲームソフト

スーパーファミコン版
ラストバイブル3|スーパーファミコン (SFC)|アトラス|レトロゲームから最新ゲームまで検索できるゲームカタログのピコピコ大百科
アトラスより1995年3月4日にスーパーファミコン用ソフトとして発売されたロールプレイングゲーム。ゲームボーイで2作発売されている『女神転生外伝ラストバイブル』の続編で、物語は前作の数万年後で展開される。主人公が身に宿す神の力によって魔獣…

アナザ・バイブル

アナザ・バイブル
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『アナザ・バイブル』は、1995年3月4日にゲームボーイで発売された作品です。ここまでのラストバイブルとは違い、ジャンルがRPGではなくシミュレーションRPGになっています。例として魔神転生シリーズのような形式に近い、と説明されており、戦い方そのものが大きく変わります。キャラクターデザインは御祇島千明が担当し、音楽は松前真奈美が担当しています。さらに2008年10月6日からは、アトラスのモバイルコンテンツとして携帯アプリ版が配信されたことも触れられています。

戦闘システムの中核は、味方・敵の区別なく「速さ」が高い順に行動するリアル・アクティブ・ターン・システム(RATS)です。勝利条件を満たすとクリアになり、主人公のカシエル、またはピュティアが倒されると敗北となってタイトル画面へ戻ります。攻撃は基本1回ですが、速さの差が大きいと2回目の攻撃が出る場合があり、能力値の設計が戦術に直結します。多くのキャラが固有能力の特殊コマンドを持つため、「どのユニットをどう動かすか」が重要になります。セーブとリスタートはターン開始時のみ可能で、やり直しはできても常に安全というわけではない設計です。

アナザ・バイブル
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仲間になる魔獣の扱いも、シリーズの中でかなり異なります。基本的にピュティアの特殊コマンド「誘惑の言葉」でしか仲間にならないため、交渉中心の感覚から別の遊びへ移ります。また、おなじみの魔獣同士の合体は存在しません。その代わり魔獣はランクアップで強化され、さらに機械(マシン)と悪魔の細胞を融合する「バイオ合体」という独自の合体が用意されています。合体の軸が変わり、「魔獣を混ぜて新種を作る」よりも「別系統を組み合わせて新しい戦力を作る」方向へ寄せられています。

ユニットの成長にも特徴があります。魔獣や人間はレベルアップでき、ボーナスポイントで能力値を上げられますが、魔獣は1種族につき1体までしか仲間にできないという制限があります。必要経験値も高めに設定されており、育成の重さが出ています。魔獣はレベルが一定まで上がると同種族の上位ランクにクラスアップしますが、その際にレベルや能力値がリセットされるというルールもあり、強くなる代わりに育て直しが必要になります。マシンは意志を持った機械の種族として登場し、誘惑の言葉で仲間になるもの、アイテム入手で仲間になるもの、会話イベントで加わるものなど複数の入り方があります。同名のマシンを複数仲間にできる点は魔獣と対照的です。マシンは魔法ではなく兵器を使う「マシン武装」を覚え、町で一度だけバイオ合体して「マシン獣」に強化できるという強化線が用意されています。マシン獣は魔獣とマシンの両方の技体系を扱える存在として位置づけられ、さらに同名を複数仲間にできる点が戦略を広げます。

アナザ・バイブル
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物語面では、主人公カシエルが旅の途中でピュティアを助けたことをきっかけに、世界を救う旅へ進む流れが描かれます。ピュティアは人間と魔獣の争いを止めるために旅立つ決意を固める存在で、翼を持つ種族フィーダの巫女という設定も示されています。ピュティアの兄アルタが洗脳され敵として立ちふさがる、魔獣を神と崇める集団「魔獣教モナド」の教祖ビバーティが人間滅亡を企む、ヘラと姉リリトの関係が争いに絡むなど、仲間の背景と対立が物語を進めます。世界を司る書物「バイブル」をめぐる要素もあり、書き換えることで世界を思いのままにできるという設定が、争いの理由をはっきりさせています。シミュレーションRPGという形に合わせて、多数の仲間や勢力が関係しながら話が展開する作品です。

ゲームソフト

ゲームボーイ版
駿河屋 -アナザバイブル(ゲームボーイ)ランクB
ゲームボーイ(GAME BOY)用ソフト

女神転生外伝 ラストバイブルスペシャル

女神転生外伝 ラストバイブルスペシャル
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『女神転生外伝 ラストバイブルスペシャル』は、1995年3月24日にゲームギアで発売されました。物語は、魔王グライアスに奪われた聖地エルサレムを取り戻すため、勇者マテルが仲間を集め、迷宮に挑むという筋立てです。ここまでのラストバイブルと比べて、作りがかなり違います。

最大の特徴は、シリーズで唯一3Dダンジョンを採用している点です。迷宮攻略と仲間キャラクターの育成に重点が置かれ、探索と強化が中心のゲームになっています。仲魔システムや一部の魔法・アイテム名など、シリーズらしい要素は引き継ぎつつも、他作品との物語的なつながりはほとんどない、と説明されています。そのため、同じシリーズ名でも「別タイプの一本」として見たほうが理解しやすい作品です。

女神転生外伝 ラストバイブルスペシャル
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移植については、発売後に他の一般的なゲーム機へは移植されていません。しかし2020年10月6日に発売された「ゲームギアミクロ」の「レッド」にプリインストールされ、遊べる形で再登場しています。その際、エルサレムなど現実の地名に由来する固有名詞は変更された、とされています。復刻機にそのまま収録しつつも、名前の扱いを調整することで、再収録としての条件に合わせた形だと考えられます。

ゲームソフト

ゲームギア版
駿河屋 -女神転生外伝 ラストバイブルスペシャル(ゲームギア)
魔法表に関しましては、付属しない場合がございます。予めご了承ください。

まとめ

まとめ
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女神転生外伝 ラストバイブルシリーズは、『女神転生』の要素を引き継ぎながら、「魔獣」という言葉やファンタジー寄りの舞台、トップビュー中心の遊びやすさで独自の形を作った外伝シリーズです。第1作は携帯機らしい工夫としてセーブの自由度やアイテム化したマグネタイトなどを持ち、ゲームギア版では大幅なアレンジと別の結末まで用意されました。IIでは地球を舞台に月齢やリアルタイムトークが復活・強化され、捕獲や卵、訓練など仲間集めと育成の幅が一気に広がります。IIIはスーパーファミコンで世界観を大きく広げ、ポリス国家の管理や永久機関フェレストの闇など、社会そのものの歪みと戦う物語が強く打ち出されました。さらに『アナザ・バイブル』ではシミュレーションRPGへ挑戦し、合体の形もバイオ合体へ変わって別の戦略性を見せます。『ラストバイブルスペシャル』は唯一3Dダンジョンを採用し、迷宮攻略と育成に集中した構成でシリーズ内でも異色の立ち位置です。全体として「魔獣との共存」を核にしつつ、作品ごとに遊び方と見せ方を変え、携帯機時代のRPGとして独自の魅力を積み重ねていったシリーズだと言えます。

女神転生外伝ラストバイブルシリーズの一覧

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