【新約ラストバイブルシリーズ】携帯ゲームから生まれた三つの星を巡る物語

ゲームシリーズ
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本記事では、新約ラストバイブルシリーズ全体について、作品の成り立ちや世界観、物語の特徴をわかりやすく解説しています。携帯電話向けに生まれた三部作が持つ共通点や魅力を整理し、シリーズとしてどのようなRPGなのかを簡潔にまとめています。

シリーズの概要

シリーズの概要
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新約ラストバイブルシリーズは、アトラスのRPG「女神転生」シリーズから派生した外伝作品で、オリジナルの物語として再構築された三部作です。最初は携帯電話向けゲームとして配信され、後年にNintendo SwitchやSteamでも遊べるようになりました。物語はそれぞれ異なる星を舞台にしながら、魔王や疫病、魔獣といった脅威にさらされた世界で、主人公たちが運命に向き合い旅を続けていく姿を描いています。敵である魔獣と交渉して仲間にできる「仲魔システム」を中心に、育成や戦略の幅が作品ごとに広がっていく点が特徴です。重厚なテーマとやり込み要素を両立したRPGとして、一本ごとにも、シリーズ全体としても強い印象を残す作品群です。

シリーズの魅力

「女神転生」らしさとファンタジーらしさが同居する独特の世界観

「女神転生」らしさとファンタジーらしさが同居する独特の世界観
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新約ラストバイブルシリーズの大きな魅力は、「女神転生」シリーズが持つ重く深い雰囲気を保ちながら、ファンタジーの手触りを強く感じられるところです。舞台はそれぞれ異なる星に設定され、魔王が周期的に復活する悲劇の星ガレリア、疫病と魔獣に覆われた絶望の星ホルス、かつては平和だったのに魔獣の襲撃が続く惑星ダミールと、どれも最初から希望が揺らいでいる状況が用意されています。その中で主人公たちは、与えられた役目や偶然手にした道具をきっかけに旅へ踏み出し、世界の仕組みや歴史の裏側に触れていきます。暗い状況が続く一方で、仲間同士のやり取りやイベントが物語の緊張をほどよくゆるめ、重さだけで押し切らない冒険としての読みやすさを作っています。さらに、神話や宗教、思想といったモチーフが物語の芯に関わってくる点も特徴で、ただ敵を倒して終わるのではなく、世界がなぜそうなっているのか、主人公たちが何を背負って進むのかが丁寧に積み上がります。シリーズが進むほど物語の密度が増し、終盤に向けてテーマが形になる構成が見えてくるため、一本遊んで終わりでも満足でき、三作を通して追うとより強い手応えが残るシリーズになっています。

交渉で仲間を増やす「仲魔システム」が冒険を広げる

交渉で仲間を増やす「仲魔システム」が冒険を広げる
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新約ラストバイブルシリーズをシリーズらしくしている中心には、敵である魔獣と会話し、条件が合えば味方として迎えられる「仲魔システム」があります。普通のRPGでは、敵は倒して終わりになりがちですが、このシリーズでは敵が仲間になる可能性があるため、戦いそのものの見方が変わります。強い敵に出会ったときも、力で押し切る以外に交渉という道があり、成功すれば戦力が増えるだけでなく、冒険の手応えも一段変わってきます。さらに仲魔は集めて終わりではなく、育成の仕組みと深く結びついています。第一作では魔獣合体や魔獣強化が用意され、仲魔をどう組み合わせるか、どう伸ばすかで同じ場面の突破方法が変わります。第二作では仲魔にアクセサリーを装備させられるようになり、同じ仲魔でも装備次第で役割が変化し、戦い方を組み立てる面白さが強まります。第三作では「服従アタック」という仕組みが加わり、倒した魔獣が力を認めて仲間になる道が用意されることで、仲魔集めのテンポや感覚が変わっていきます。こうした変化は、シリーズが進むにつれて“仲魔を中心に遊ぶ楽しさ”が広がっていくことを意味します。物語を進めるために仕方なく戦うのではなく、仲魔を集め、育て、組み合わせて、自分のやり方で乗り越えていく流れが冒険の主役になりやすい点が、このシリーズ全体の強い魅力です。

遊びごたえとやり込みの深さが一本ごとに積み上がる

遊びごたえとやり込みの深さが一本ごとに積み上がる
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新約ラストバイブルシリーズは、物語だけでなく“遊びごたえ”の面でも評価されやすい作りです。もともとラストバイブルをオリジナルストーリーでリメイクした位置づけで、やり込み要素が本編以上に盛り込まれているとされ、実際に三作を通して育成や戦略の幅が段階的に増えていきます。第二作ではシナリオのボリュームが前作より大きく増え、敵やアイテム、魔法が増加したことで、単純に寄り道が増えるだけでなく、状況に合わせて選べる手段が増えています。難易度も甘すぎない方向で語られ、戦いを工夫して突破していく感覚が強く残ります。その一方で、アクセサリーの装備や状態異常の活用など、乗り越えるための道具立ても増えているため、詰まったときに工夫できる余地があるのも特徴です。また、クリア後の育成が進みやすくなる一方で、それに見合う強敵が用意されているとされ、遊び尽くそうとすると長く楽しめます。第三作でも新しい仲魔獲得手段が追加され、戦力を整える過程そのものが遊びとして気持ちよくなっていきます。さらに、このシリーズはもともと携帯電話向けとして配信され、後年SwitchやSteamで復刻されたため、当時の作品が現在の環境で遊べる点も大きいです。古い作品だからこそ演出は簡素でも、物語の強さや戦いの手応え、育成の奥行きが残り続けるタイプのRPGであり、一本だけでも遊び応えがあり、三作まとめて追うと積み上がりがよりはっきり感じられるシリーズになっています。

シリーズの一覧

女神転生外伝 新約ラストバイブル

女神転生外伝 新約ラストバイブル
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この作品は、新約シリーズの第一作で、フィーチャーフォンでしか遊べなかった完全オリジナルのRPGとして作られました。舞台となるのは、百年ごとに魔王がよみがえり、そのたびに侵略が繰り返されてきた悲劇の星「ガレリア」です。人々は天使から授かった力「ガイア」を使い、魔王を封印することで何度も危機を乗り越えてきました。しかし次の復活が目前に迫り、主人公は世界を救う存在とされる「ガイアマスター」の候補生として旅立つことになります。

女神転生外伝 新約ラストバイブル
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物語の軸は、迫り来る魔王の脅威に対して、主人公たちが運命を切り開いていく流れです。旅の中では、敵として立ちはだかる魔獣がただの障害では終わりません。交渉によって味方になってくれる場合があり、仲間として一緒に戦えるようになります。こうした“戦うだけではない関係”が、シリーズらしさを強く感じさせる部分です。

女神転生外伝 新約ラストバイブル
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システム面では、仲魔を増やすだけでなく、「魔獣合体」や「魔獣強化」といった育成の要素も用意されています。手に入れた仲魔をどう組み合わせ、どう強くするかで戦い方が変わっていくため、ストーリーを進めるだけでなく、時間をかけて育てたり試したりする遊びが生まれます。世界設定は初代『ラストバイブル』に似ている雰囲気を持ちながらも、別の作品として作られており、“ガイアを極めた者”の呼び名が「ガイアマイスター」ではなく「ガイアマスター」になっている点なども、独自の色として挙げられます。

女神転生外伝 新約ラストバイブル
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配信の流れも特徴的で、2007年に携帯アプリとして提供が始まり、後年は「G-MODEアーカイブス+」の枠でNintendo SwitchやSteamにも移植されました。これにより、当時の携帯ゲームの作品が、今の環境でも遊べるようになったことはシリーズの再評価につながったポイントです。

女神転生外伝 新約ラストバイブルII 始まりの福音

女神転生外伝 新約ラストバイブルII 始まりの福音
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第二作は、第一作と同じくフィーチャーフォン向けの完全オリジナル作品として始まり、のちにSwitchとSteamでも復刻されました。舞台は、疫病と魔獣が広がり、希望が見えにくくなった星「ホルス」です。この世界には、圧政で人々を追い詰める狂王カインと、疫病の薬を開発して対抗しようとする聖王アベルという、対立する二人の王が存在します。さらに「福音の子が光とともに現れ、世界を変える」という宣言が語られ、表には見えないところで少年の運命が動き出していきます。

女神転生外伝 新約ラストバイブルII 始まりの福音
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この作品は、前作よりも物語の量が大きく増え、敵やアイテム、魔法の種類も増加しています。つまり、単純に“長くなった”だけでなく、出会うものや選べる手段が増えたことで、冒険の密度が高くなっています。シリーズの核である仲魔システムも発展しており、従来の強化・合成に加えて、仲魔にアクセサリーを装備させられるようになりました。装備によって能力や戦い方が変えられるため、仲魔がより頼れる存在になり、編成の工夫がさらに面白くなっています。

女神転生外伝 新約ラストバイブルII 始まりの福音
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物語のトーンは重く、冒頭から衝撃的な展開が続くとされる一方で、仲間同士の明るいやり取りやギャグ寄りのイベントもあり、暗さ一色ではありません。つらい状況や悲惨な出来事が描かれながらも、冒険としての楽しさも残しているバランスが、この作品の大きな持ち味です。終盤、とくにラストダンジョンからラスボスにかけては強い印象を残す展開が用意されており、旅の中で積み上げてきたテーマが、最後に形として突きつけられるような構成になっています。神話や宗教、哲学といったモチーフの扱いがはっきり見える場面もあるため、普通のファンタジーRPGとは違った個性が出ています。

女神転生外伝 新約ラストバイブルII 始まりの福音
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ゲームとしての歯ごたえも語られており、難易度は優しすぎないタイプです。ただ、戦い方の選択肢も増えています。アクセサリーによる強化や状態異常の活用が重要になり、能力の振り方次第で苦戦する場面があっても、装備や戦術で乗り越えられる余地がある作りです。さらに、クリア後には育成が進みやすくなる一方、それに見合う強敵も用意されており、やり込み要素が強くなっています。裏ボスを倒すことで能力値を振り直せるアイテムが手に入る、といった要素もあり、育成の試行錯誤を支える仕組みとして働いています。

また、この新約シリーズは三部作であることが示されており、第二作までを遊んだ人が、続く第三作に進むことでシリーズ全体の流れをより深く味わえる形になっています。復刻によって第三作も遊べるようになったため、今からまとめて追いかけやすくなった点も大きいです。

女神転生外伝 新約ラストバイブルIII 夢幻の英雄

女神転生外伝 新約ラストバイブルIII 夢幻の英雄
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第三作は、舞台を惑星「ダミール」に移し、雰囲気の違う導入から始まります。かつては水と緑に恵まれた平和な星でしたが、五年前を境に魔獣が現れるようになり、人々は繰り返される襲撃に疲れ切っていきます。世界を救う“勇者”を求め続ける中、主人公は偶然、魔獣を引き寄せる謎の腕輪「COMP」を身につけてしまいます。主人公はその正体を知るため、そして自分の運命と向き合うために、広い世界へ旅立っていくことになります。

女神転生外伝 新約ラストバイブルIII 夢幻の英雄
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本作でも、魔獣との交渉によって仲間を増やすシリーズの基本は受け継がれています。そのうえで新しい仕組みとして、倒した魔獣が力を認めて仲間になる「服従アタック」が登場します。交渉だけに頼らず、戦いの中でも仲魔を集めやすくなるため、仲間集めのテンポが変わり、遊び方の幅が広がります。仲間や仲魔とともに旅を進めながら、惑星ダミールに語り継がれてきた歴史の真実を解き明かしていくことが、この作品の大きな目的になります。

女神転生外伝 新約ラストバイブルIII 夢幻の英雄
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配信と復刻の流れとしては、2010年に携帯アプリとして配信が始まり、のちにSwitchとSteamでも復刻されました。三部作の最後として位置づけられ、これまでの二作と同じく携帯向けに作られた作品が現代の環境で遊べるようになった点は、シリーズをまとめて追ううえで重要です。さらに本作では、新約ラストバイブルと新約ラストバイブルIIに登場した“二人の仲間の子ども”が登場するとされ、シリーズのつながりを感じられる要素も用意されています。三作それぞれが単体でも成り立ちつつ、最後に向けて世界がつながっていく面白さがここで強くなります。

まとめ

まとめ
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新約ラストバイブルシリーズは、『女神転生』の濃い世界観にファンタジーの味付けを加えた外伝として、携帯電話向けに生まれた三部作のRPGです。第一作は悲劇の星ガレリアで、百年周期で復活する魔王に立ち向かう旅が描かれ、仲魔システムや魔獣合体・強化といった育成要素で遊びごたえを支えています。第二作は疫病と魔獣に覆われた星ホルスで、狂王と聖王の対立や「福音の子」をめぐる運命が描かれ、物語のボリューム増加と仲魔のアクセサリー装備などで戦略性とやり込みが強化されています。第三作は惑星ダミールを舞台に、COMPをきっかけに始まる旅と歴史の真実に迫る物語が進み、服従アタックによって仲魔集めの新しい手触りも加わりました。

そして、携帯向けに作られた作品が後年SwitchやSteamで遊べるようになったことで、当時の作品を今の環境で体験できるシリーズになっています。仲魔とともに冒険し、重いテーマとファンタジーの物語を進めながら、自分なりの育成や戦い方を組み立てていけることが、新約ラストバイブル三部作の魅力です。

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