【必勝777ファイターシリーズ】パチスロと世界を救う冒険が融合した三部作

ゲームシリーズ
© 1994 バップ All Rights Reserved.

本記事では、スーパーファミコン用ソフトとして発売された『必勝777ファイター』シリーズ三部作を詳しく解説しています。実在機を模した台や当時の攻略法を再現したパチスロ要素と、冒険活劇風のストーリーモードを融合させた独自の魅力を、各作品の内容や特徴を交えて紹介します。

シリーズの概要

シリーズの概要
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『必勝777ファイター』シリーズは、1994年から1995年にかけてスーパーファミコン向けにバップから発売された全3作のパチスロゲームです。実在機を模したオリジナル台を収録し、当時話題になったセット打法や裏ワザをそのまま取り入れて遊べる点が大きな特徴でした。単なるシミュレーターにとどまらず、アドベンチャー要素を盛り込んだストーリーモードを搭載しており、浦島太郎伝説をベースにしたジロウの冒険譚、仲間を救出するパチプロ銀二の物語、豪華客船を舞台に黒竜王と再戦する続編と、作品ごとに異なる筋立てが展開されました。パチスロを打ちつつ情報やアイテムを集め、時には裏技で効率よく稼ぐことで物語を進める仕組みは独特で、荒唐無稽なシナリオと裏技重視のゲーム性が組み合わさった異色作となっています。シミュレーターとしての精密さよりも、当時のパチスロ文化を大胆に取り込んだ遊び心が魅力のシリーズでした。

シリーズの魅力

パチスロ実機の雰囲気を取り入れた独自性

パチスロ実機の雰囲気を取り入れた独自性
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本シリーズの大きな特徴は、当時の実在機を意識したパチスロ台を収録しつつ、実機で話題になった攻略法やセット打法をそのまま再現していた点にあります。もちろん挙動に怪しさが残ったり、完全なシミュレーターとは言えない部分もありますが、当時のパチスロファンにとっては“ゲーム内で裏技を試せる”というだけで特別な魅力がありました。さらに、攻略法を会得するとゲーム内でしっかり活用できる仕組みになっており、ただコインを稼ぐだけでなく「どの打法をどのタイミングで試すか」という戦略性も感じられるのがポイントです。

ストーリーモードがもたらす異色のゲーム体験

ストーリーモードがもたらす異色のゲーム体験
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単なるパチスロ再現に留まらず、アドベンチャーゲーム風のストーリーモードを搭載したのも本作の個性です。浦島太郎の伝説をモチーフにした竜宮伝説編では、日本各地を巡りながら黒竜王討伐を目指し、美女キャラクターとの出会いやコミカルなイベントを楽しめます。続編ではパチプロ銀二が仲間を救出するシリアス調の物語へと変わり、最終作では再び浦島ジロウが豪華客船で復活した黒竜王に挑む展開が用意されています。荒唐無稽ながらも“パチスロで世界を救う”というテーマ性は、他にはない独特の味わいを持っており、レトロゲームならではのトンチキな魅力を放ちます。

セット打法と稼ぎのバランス

セット打法と稼ぎのバランス
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シリーズを通して特に重要なのがセット打法の存在です。初代では成否が分かりにくい仕様でしたが、2作目では効果音が導入され、成功が判断しやすくなりました。しかも累計100万Pを稼ぐという大きな目標が設定され、攻略法を駆使することがほぼ必須の構成になっています。そして3作目では“下ボタン連打”だけで成功する台まで登場し、攻略のしやすさとテンポの良さを最優先する形に変化しました。シリーズを追うごとに攻略法の存在感が強まり、“パチスロをどう攻略するか”という部分が物語と直結していく流れは、このゲーム群ならではの進化と言えます。

当時ならではのゲームデザインと操作感

当時ならではのゲームデザインと操作感
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操作方法はシリーズを通じてシンプルにまとまっており、コイン投入やレバー操作、リール停止が直感的に行える作りでした。対戦用の台も収録されており、60秒の制限時間でコイン枚数を競う短期決戦モードなども搭載されています。さらに、ストーリーモードではアイテムを購入して攻略を助けたり、体力を回復する要素があったりと、ただのギャンブル再現にとどまらない遊びを盛り込んでいます。一方で、フォントが読みにくい、メニュー表示が不親切、進行に必要な情報が分かりづらいといった粗削りな部分も多く、そこにレトロゲームらしい独特の味わいがあります。

シリーズ全体を通じた“異色さ”の面白さ

シリーズ全体を通じた“異色さ”の面白さ
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この三部作は、真面目なシミュレーターとしての完成度よりも、“当時のパチスロ文化をパロディ混じりにゲームへ落とし込んだ”こと自体が魅力になっています。実機の挙動を忠実に再現するよりも、セット打法や裏ワザを取り込み、冒険活劇風の物語でプレイヤーを引っ張るという方向性は、今の視点から見ても異色です。時にはトンチキに思える展開や、稼ぎノルマの大きさに驚かされますが、そのすべてが“90年代のゲームにしかなかった空気感”を強烈に伝えてくれます。パチスロファンはもちろん、当時のゲーム文化を知る資料としても興味深い作品群です

シリーズの一覧

必勝777ファイター パチスロ竜宮伝説

必勝777ファイター パチスロ竜宮伝説
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必勝777ファイター パチスロ竜宮伝説|スーパーファミコン (SFC)|バップ|レトロゲームから最新ゲームまで検索できるゲームカタログのピコピコ大百科
バップより1994年1月14日にスーパーファミコン用ソフトとして発売されたパチスロゲーム。実在するパチスロ機が登場し、本物のパチスロ機の攻略法がそのまま使えるなど、リアルに再現されている。また、プレイヤーがパチスロ勇者となって魔王を封印す…

1994年1月14日発売。スーパーファミコン向けに登場し、価格は税別9,500円、1~2人で遊べます。通常のパチスロモードでは、実機をもとにした台で回せるうえ、実機で知られていた攻略法がそのまま使えるという触れ込みです。一方で、挙動に実機では起こり得ない出目が出たり、引き込みに不自然さが見られたりと、完全な“実機シミュレーター”ではない印象もあります。いわゆる“もじり機”寄りで、リール制御のコピーが甘いと感じられる場面があるため、あくまでゲームとして割り切って楽しむのがよさそうです。台の操作は、Rで3枚掛け、Lでクレジット、Bで1枚投入、十字キー下がレバー、リール停止は左からY・X・A、セレクトでメニューという構成で、素早く回すテンポは良好です。

必勝777ファイター パチスロ竜宮伝説
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物語性を楽しむなら、タイトル画面で上下を押して選ぶ“竜宮伝説”モードが肝心です。主人公ジロウは、夢で世界の危機を知らされ、復活した黒竜王を封じるため、日本各地を巡って“竜王のコイン”の欠片を集めます。旅の途中で竜宮の眷属と思しき女性たちが協力者として登場し、ちょっとしたお色気演出も挟まります。ホールで“ウラワザブラザーズ”に出会えれば、攻略打法の手ほどきを受けられ、覚えた手は実戦で使えます。コインはカウンターで事前入手、パスワードも同所で発行されるので、資金管理と進行データの記録がワンセットになっている作りです。最終盤では黒竜王とパチスロ勝負になりますが、目標枚数が明示されないため手探りになりがちで、5,000枚近く稼いで決着させた例もあれば、検証では約1,600枚程度でもクリア可能とされています。

必勝777ファイター パチスロ竜宮伝説
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エンディングでは、ジロウが浦島太郎の子孫であることが明かされ、物理的な“必殺パンチ”で黒竜王にトドメをさすという、トンチキなオチもシリーズらしさです。総じて、アドベンチャーはお使い中心で詰まりにくく、パチスロ側は設定が甘めで当たりやすい印象、ただしセット打法の成否が分かりにくいことが難点になります。対戦用の台を含めると全5機種で遊べ、純粋に回すだけでも当たりは引きやすい一方、地味さを感じる人もいるかもしれません。

必勝777ファイター2 パチスロマル秘情報

必勝777ファイター2 パチスロマル秘情報
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必勝777ファイター2 パチスロマル秘情報|スーパーファミコン (SFC)|バップ|レトロゲームから最新ゲームまで検索できるゲームカタログのピコピコ大百科
バップより1994年8月19日にスーパーファミコン用ソフトとして発売されたパチスロゲーム。主人公の銀二が、謎の組織にさらわれてしまった仲間2人を助け出すためにパチスロで資金を稼ぎながら情報を集めていく。コンビニで攻略本を買ったり、マッサー…

1994年8月19日発売。主人公はパチプロの銀二に交代し、謎の組織に連れ去られた仲間2人を助け出すため、稼いで情報を集めるハードボイルド調の物語へと雰囲気が一転します。コンビニで攻略本を購入して台の情報を読んだり、マッサージ店で体力を回復したりと、稼ぎと準備のサイクルが明確です。ストーリーメニューには“攻略本”項目があり、打っている台の要点を確認できます。2人対戦は前作の“スーパーバップたいせん台”に近い作りで、60秒の制限時間で獲得コインを競うトーナメントも用意されていますが、優勝しても特別な演出はありません。表示の一部にSFCのハイレゾモードを使うなど技術的な見どころもあります。

必勝777ファイター2 パチスロマル秘情報
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収録台は“コンチネンタル2”“サファリラリー”“トロピカーナ7X”“ソレックス”を連想させる、似て非なるパチモノで、今回もセット打法が推奨されます。中には“でっち上げ気味”のネタも混ざるとされますが、攻略の中心はここです。前作から改善された点として、セット打法が決まると効果音で成否が判断しやすくなり、狙いを立てやすくなりました。特に“コンチノンタルⅡ”(作中表記)を練習台に選ぶのが定番で、手順は一見複雑でも慣れれば安定して入ります。手順で指定されたコイン枚数(例:38枚)は多少ずれても成功することがあり、台ごとに判定のクセがあるため、合わなければ台を変える判断も有効です。なお、ストーリーモードではポイントやコインが0になっても即ゲームオーバーにはならないものの、実質的に詰み状態になるため注意が必要です。カウンターでの清算と同時にパスワードが発行され、継続プレイの導線は前作同様シンプルです。

必勝777ファイター2 パチスロマル秘情報
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進行目標ははっきりと数値化されており、累計15万Pで“源太”が救出、続いて35万Pのノルマ、累計50万Pで“智子”が解放、その後40万Pの要求、累計90万P到達で黒幕“神商コウ”が登場し、最終的に10万Pを上乗せして合計100万Pでエンディングという構成です。つまり、稼ぎきること自体が物語の核心になっており、セット打法の活用は実質必須と言ってよいバランスです。シリーズの雰囲気としては、初代の浦島太郎モチーフから離れ、同メーカーの“マル秘”系作品に近い硬質さやフォントの統一感があり、姉妹作のような印象を受ける仕上がりです。

必勝777ファイター3 黒竜王の復活

必勝777ファイター3 黒竜王の復活
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必勝777ファイター3 黒竜王の復活|スーパーファミコン (SFC)|バップ|レトロゲームから最新ゲームまで検索できるゲームカタログのピコピコ大百科
バップより1995年9月15日にスーパーファミコン用ソフトとして発売されたパチスロゲーム。人気パチスロゲーム『必勝777』シリーズ第3弾。実在の機種をモチーフにした6種類のオリジナル台の攻略を目指すパチスロモード、超豪華クルーザーを舞台に…

1995年9月15日発売。シリーズ第3弾は、初代で退けた黒竜王が再び現れ、主人公も“浦島ジロウ”に戻る続編的な位置づけです。舞台は超豪華クルーザー“セブンスリー号”。アドベンチャーでは移動画面でL/Rを押すとコマンド表記を日本語・英語・アイコンに切り替えられ、セレクトでメッセージ速度を調整できます。パチスロ側の基本操作は初代から継承。モードは“6種類のオリジナル台で攻略を目指すパチスロモード”と、“船上で稼ぎながら謎や試練に挑むストーリーモード”の2本立てで、実在機を意識したオリジナル台を回しつつ、船内イベントをこなしていきます。

必勝777ファイター3 黒竜王の復活
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進行管理は今回もコインカウンターが要で、ここでパスワードを発行しますが、丸文字系のフォントは判別しづらく、書き写しには気を使います。さらに“打ち止めミッション”は途中で中断してパスワードから再開するとカウントがリセットされるため、一気に片づける前提の設計です。攻略面で大きいのは、セット打法の敷居がさらに下がったことです。特に“ジャックペット”は十字キー下の連打だけで狙える手があり、前作のような試行錯誤をせずとも効率よく出玉を伸ばせます。ノルマ自体もほどほどで、2作目ほどの消耗戦にはなりにくい反面、船内のインテリア系景品を集めることで進む箇所が分かりにくいなど、フラグの見えにくさは残ります。

必勝777ファイター3 黒竜王の復活
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挙動面では所持金や清算まわりに怪しさを感じることもありますが、シリーズの流儀として“細かいことは気にしない”ノリで押し切る作りです。結末では“三種の神器”の力で黒竜王を退け、乙姫と思しき人物から労いを受けてスタッフロールに移る、初代直系の締め方になっています。

まとめ

まとめ
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『必勝777ファイター』三部作は、パチスロの再現と物語性を欲張った結果、実機そっくりの厳密さよりも“ゲームとしての面白さ”を優先した色が濃いシリーズです。初代は浦島太郎モチーフの突飛な世界観と、当たりやすいバランスで入りやすく、2作目は銀二の救出劇と累計100万Pという明確な稼ぎ目標で“攻略して進む”感覚が強化され、3作目はジロウ復帰と船上劇で原点回帰しつつ、セット打法の簡便さでテンポを最優先する設計になりました。いずれもカウンターでのパスワード管理や対戦要素を備え、セット打法の比重が高いのが共通点です。一方で、出目や制御の不自然さ、フォントの見づらさ、フラグの分かりにくさなど、シミュレーター的な厳密さを求めると物足りない面もあります。総じて、“当時の攻略ネタをゲーム的に楽しむ”ことに価値を見いだせる人には、今なお独自の魅力を放つレトロ作品と言えるでしょう。

必勝777ファイターシリーズの一覧

ゲーム一覧|必勝777ファイター|レトロゲームから最新ゲームまで検索できるゲームカタログのピコピコ大百科
【ゲーム一覧】から「必勝777ファイター」の文字が含まれるゲームタイトルを紹介しています。ピコピコ大百科は今まで販売されたテレビゲームソフトのデータベース(ゲームカタログ)です。レトロゲームから最新ゲームまで任天堂、セガ、ソニーなどのゲーム...
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