本記事では、スーパーファミコンで発売された『遊人 雀獣学園』シリーズについて、作品の内容やゲーム性の特徴、続編での進化、そして美少女麻雀ゲームとしての独自の魅力を、分かりやすくまとめて解説しています。シリーズ全体の流れが一目で分かる内容です。
シリーズの概要

『遊人 雀獣学園』シリーズは、スーパーファミコン向けに発売された美少女系2人打ち麻雀ゲームシリーズです。第1作は、学園の女子生徒が大魔王によって雀獣に変えられてしまい、それを麻雀で救っていくという分かりやすい物語が特徴です。続編では新主人公れいこが登場し、RPG風のマップ移動やステータス成長、技の使用などの要素が追加され、ゲーム性が大きく進化しました。どちらも漫画家・遊人がキャラクターデザインを担当し、一般向けながらもサービス要素のある独特の雰囲気を持っています。
シリーズの魅力
遊人キャラが動き出す「雀獣学園」という世界観の魅力

『遊人 雀獣学園』シリーズ最大の特徴は、漫画家・遊人が手がける女の子キャラクターたちが、ゲームの中で生き生きと動き出す世界観にあります。物語の舞台は学園や町内で、女子生徒たちが大魔王や邪神の力によって「雀獣」という存在に変えられてしまい、それを麻雀の勝負を通して浄化していくという流れがシリーズ共通の根幹となっています。前作では校内の女子が次々と雀獣にされ、9匹の雀獣を浄化した先にラスボスとの最終対決とエンディングが待っています。続編では、一度は浄化されたはずの雀獣が再び出現し、その謎を追いながら浄化していくという形で物語が展開されます。この「麻雀で戦って、勝てば元の美少女に戻る」という構造が、シンプルで分かりやすく、それでいて遊人の描くキャラクターの魅力を最大限に引き出しています。しかも、雀獣の姿は怪獣的なものからネコ耳を持つ女の子風のデザインへと変化し、シリーズを追うごとに世界観全体がより美少女寄りに整えられていくのもポイントです。重いドラマよりも、明るくコミカルな雰囲気や、「変身してしまった女の子を麻雀で救う」という分かりやすい動機づけが前面に出ているため、物語を難しく構えずに楽しめます。世界観自体が難解ではなく、学園と麻雀、そして遊人キャラという要素がストレートに組み合わされているからこそ、シリーズ全体を通して統一感のある魅力的な舞台になっていると言えます。
シンプルな2人打ちからRPG風成長まで広がるゲーム性

ゲームとしての魅力は、前作と続編での変化に注目するとよく見えてきます。第1作『遊人 雀獣学園』は、スーパーファミコンの2人打ち麻雀として非常にシンプルな作りで、1対1の東南戦を繰り返しながら雀獣を浄化していく構成になっています。ルール設定はオプションで変更可能で、テンポよく対局できることが特徴です。一方、『遊人 雀獣学園2』では、同じ麻雀ゲームでありながら、RPG的な要素が大きく加わります。主人公れいこには雀力・技力・スタミナ・運という4つのステータスが設定され、雀獣との勝負を重ねることで成長していきます。序盤は6000点から始まる雀力も、物語の進行に合わせて増えていき、終盤では相手の持ち点が10万点を超えるようなスケールの大きな対局になるなど、数字の面でも「育った感覚」を味わえるのが面白いところです。また、怒りメーターによる得点ボーナスや、牌交換・ツミコミなど23種類の技の存在により、単なる運任せだけでなく、「どのタイミングで技を使うか」「どのステータスを上げていくか」といった選択も絡んできます。前作では「遊人キャラ×2人打ち麻雀」というコンセプトがそのまま形になっていたのに対し、続編ではストーリーモード、2人打ち、4人打ちに加え、クリア後の女王牌モードまで用意され、遊び方の幅が大きく広がっています。シンプルな麻雀を短時間で楽しむ良さと、育成や探索を含めた長く遊べる構成、その両方をシリーズ全体で味わえる点が、ゲームとしての大きな魅力になっています。
スーファミらしい「健全ギリギリ」のサービス精神と遊びやすさ

このシリーズを語るうえで外せないのが、スーパーファミコンという家庭用ハードならではの「健全ギリギリ」を狙ったサービス精神です。遊人は18禁作品で名を知られた漫画家ですが、本シリーズはあくまで一般向け作品として作られているため、表現はかなり抑えられています。とはいえ、雀獣を浄化すると美少女の姿に戻り、そのグラフィックが表示される構造や、女の子たちの衣装が水着や体操着、ファミレス制服、ナース服、テニスウェアなどバラエティ豊かである点など、「遊人キャラを見せる」ことへのこだわりは随所に感じられます。さらに、両作ともギャラリーモードが用意されており、『遊人 雀獣学園』では「おんなのこみる」、続編では「おんなのこ みたい」という、非常に分かりやすいパスワードで女の子のイラストだけを鑑賞できるようになっています。本編で苦戦しなくてもイラストにアクセスできるという意味で、プレイヤーへのサービス要素がはっきりと用意されていると言えるでしょう。それでも内容はあくまでスーファミ向けに抑えられているため、後年の作品と比べると「むしろ健全」に感じられるほどです。遊びやすさという面では、1作目は一日あれば十分クリアできるボリュームで、2作目も運やステータスの影響により、麻雀のセオリーにこだわらなければ気持ちよくアガれる場面が多く、肩ひじ張らずに遊べるバランスになっています。真剣勝負を求める人には物足りないところもあるものの、「美少女麻雀をスーファミで気軽に楽しむ」という目的に対して、シリーズ全体が誠実に作られていることが、この作品群の独自の味わいと魅力につながっています。
シリーズの一覧
遊人 雀獣学園


『遊人 雀獣学園』は、1993年11月19日にスーパーファミコン用として発売された麻雀ゲームです。発売元は株式会社バリエで、ジャンルは麻雀ゲーム、内容は2人打ち麻雀が中心となっています。漫画家・遊人がキャラクターデザインを担当しており、ゲーム中には多数の女の子キャラクターが登場します。この「遊人キャラを動くゲームで見られる」という点が、当時のプレイヤーにとって大きな魅力となっていました。
物語の舞台は学園で、校内の女子生徒たちが「大魔王」の力によって次々と「雀獣」と呼ばれるモンスターに変えられてしまうところから始まります。プレイヤーは3人の少女たちのいずれかではなく、3人が協力して行動している世界を舞台に、麻雀の勝負を通して雀獣を元の女の子の姿へと戻していきます。雀獣に勝利すると浄化され、美少女として元の姿に戻るという流れが繰り返され、すべての雀獣を救っていくことがゲーム全体の目的です。9匹の雀獣を浄化すると、最後にラスボスが姿を現し、このラスボスを倒すことでエンディングに到達します。
ゲームシステムとしては、1対1の2人打ち麻雀が基本です。東場と南場を通して戦う形式で、相手を「ハコテン」、つまり持ち点0点の状態に追い込むことが勝利条件となっています。ルールはオプションモードで細かく変更することができ、役や点棒の設定など、ある程度プレイヤーの好みに合わせた遊び方が可能です。スーパーファミコンの麻雀ゲームの中では、シンプルな2人打ちに徹している作品であり、その分テンポよく対局を重ねていける作りになっています。

しかし、対局バランスに関しては、プレイヤーの受け取り方によって評価が分かれています。一部のプレイヤーからは、相手キャラクターが「どう考えても都合の良すぎるアガり方をしてくる」と感じられ、イカサマじみた強さを持っているように見えるという意見があります。こちら側には救済用の必殺技のようなシステムもないため、純粋に麻雀の腕前だけで勝たなければならず、「かなり難しい」という感想につながっています。
一方で、別の感想では、リーチをかけると高い確率で相手が放銃してくれることから、難易度はそれほど高くないという見方もあります。裏ドラも乗りやすく、あまり細かいことを考えず、テンパイしたらすぐリーチをかけていくような打ち方でも比較的勝ちやすいとされており、「一日あれば十分クリアできる」と語られています。つまり、本作の対局バランスは、運の偏りやCPUの挙動に対してどう感じるかによって評価が変わるタイプと言えます。
本作の大きな特徴は、やはり女の子のグラフィックです。雀獣に勝利するとモンスターが浄化されて美少女の姿に戻り、そのイラストを見ることができます。スーパーファミコンという家庭用ゲーム機であることもあり、表現は「許される範囲ギリギリ」と評されつつも、あくまで一般向けとして成立するレベルに抑えられています。当時から18禁作品で知られていた遊人がキャラクターデザインを担当していながら、家庭用ゲームとして遊べる内容にまとめられている点が独特です。
また、本作には「ギャラリーモード」が存在し、特定のパスワードを入力することで女の子のイラストだけをゆっくり鑑賞することができます。パスワードは非常にストレートな言葉になっており、「おんなのこみる」という言葉を入力することでギャラリーに入ることができるとされています。ゲーム本編で苦労して雀獣を浄化しなくても、ギャラリーで絵だけを見ることができるため、ある意味では「こちらの方が目的を達しやすい」というような評価も見られます。

さらに、本作には女の子が水着姿になる技や、イラストに関する裏技も存在します。ただし、これらは公式に強く押し出された要素ではなく、あくまで隠し要素や裏技として扱われており、普通に遊んでいるだけではなかなか目にする機会がない部分です。そのため、「裏でこっそり楽しむ要素」として語られています。
ゲーム全体のボリュームとしては、9匹の雀獣を浄化し、ラスボスに勝利すればエンディングという構成で、プレイ時間としては非常に長いわけではありません。シナリオ面もシンプルで、「校内の女子が雀獣にされてしまい、それを麻雀で救っていく」という分かりやすい筋書きが一貫しているため、複雑なドラマや重い物語を期待するタイプの作品ではありません。その代わり、テンポよく対局を重ねながら、遊人デザインの女の子を次々に救っていく楽しさが中心に据えられています。
「遊人の描く美少女」と「2人打ち麻雀」を組み合わせた、スーパーファミコンならではの一本と言えます。麻雀ゲームとして見るとシステムはシンプルで、派手な演出や複雑なルールは少なく、キャラクター性と世界観が主役の構成です。一方で、難易度の感じ方やCPUの挙動についてはプレイヤーによって評価が分かれており、やりごたえを感じる人もいれば、運任せの部分が多いと感じる人もいる作品となっています。
遊人 雀獣学園2


続編にあたる『遊人 雀獣学園2』は、1994年11月18日に前作と同じくスーパーファミコン用ソフトとして発売されました。発売元も同じく株式会社バリエで、こちらも麻雀ゲームです。キャラクターデザインは引き続き漫画家・遊人が担当しており、『雀獣学園』シリーズ第2弾として前作の世界観を受け継ぎながらも、ゲーム内容は大幅にパワーアップしています。
物語の軸は前作と同様に、女の子が「雀獣」に変えられてしまう事件です。今作では「邪神」が再びよみがえり、その影響で浄化されたはずの雀獣が再び町内に現れるという状況になっています。プレイヤーは前作の主人公である「しおり」ではなく、その後輩にあたる女子高生「れいこ」として物語を進めます。れいこは遅刻の常習犯という設定で、明るく飾らない性格がコメディ調のストーリーとよく合っています。
れいこは、再び出現した雀獣たちを浄化するため、町中や校内を歩き回って女の子たちを探します。今作ではトップビュー視点でマップを移動するRPG風の要素が追加されており、ただメニューから対局相手を選ぶだけではなく、実際にフィールドを歩いて雀獣化した女の子に話しかけることで会話パートが始まり、その後で麻雀対決になるという流れになっています。

会話パートはアドベンチャーゲームのような形式で進み、キャラクター同士の掛け合いや少しコミカルなやりとりも描かれます。雀獣になってしまった女の子の中には、変身できることを面白がっているようなキャラクターもおり、全体的に重苦しい雰囲気はほとんどありません。ストーリーのトーンはあくまで明るく、気楽に読み進められる内容となっています。ただし、物語そのもののドラマ性や深いテーマ性を期待するとやや物足りなさを感じるという感想もあり、「ストーリーは雰囲気を楽しむ程度に考えた方がよい」という評価も見られます。
対局部分は、基本的には前作と同じく2人打ちの東南戦です。ただし、『2』ではゲーム全体のシステムが大きく変わっています。まず、主人公れいこには「雀力」「技力」「スタミナ」「運」という4つのステータスがあり、RPGのように成長していきます。雀力は対局開始時の持ち点を表しており、最初は6000点からスタートします。雀獣との勝負を重ねることで、この持ち点が徐々に上がっていきます。
雀獣の側の持ち点も、物語が進み強い雀獣と戦うようになるほど高くなっていきます。そのため、序盤と終盤では対局のスケールが大きく変化します。終盤になると相手の持ち点が10万点を超えるような、大味で派手な点数勝負になることもあり、「かなり豪快な麻雀」という印象を与える構成になっています。
運のステータスは、ツモ牌や配牌に影響を与える要素として機能します。運が高くなるほど、手牌が整いやすくなり、ツモも良くなるとされています。その結果、ステータスが育ってくると、一発ツモや派手なアガりが決まりやすくなり、爽快感のある展開を楽しめます。一方で、こうした要素により、一般的な麻雀のセオリーがそのまま通じない場面も多くなっています。

本作の対局には「怒りメーター」というユニークなシステムも導入されています。相手がリーチをかけたり和がったりするとメーターが上昇し、プレイヤーが和がったときに、その怒りメーターの分だけ得点が上乗せされます。一度アガるとメーターはリセットされるため、どのタイミングでアガるかがスコアに影響します。これにより、単純な点数計算だけでなく、「怒りメーターをどのくらい溜めてから和がるか」という判断も必要になるゲーム性が加わっています。
さらに、本作の大きな変更点として「技」の存在があります。対局中に使用できる技は全23種類あり、牌を交換する技や「ラストチャンス」と呼ばれる技、さらに「タンヤオツミコミ」などのツミコミ系の技が多数用意されています。技を使うことで、特定の役が狙いやすい配牌にしたり、状況を一気に有利にしたりすることが可能です。
技は前作のキャラクター「ゆかり」が経営する雀荘で教えてもらうことができ、覚えるためには「技力」というステータスを一定以上まで上げる必要があります。高レベルの技ほど要求される技力も多くなり、同時に対局中に消費するスタミナも増えていきます。また、覚えられる技は1つだけで、新しい技を習得すると、それまで覚えていた技は使えなくなります。このため、どのタイミングでどの技に切り替えるかが重要な選択になります。
前作に比べてゲーム性を大きく強化した続編といえます。RPG要素、技システム、怒りメーター、複数のゲームモード、詳細なルール設定などが加わり、前作に物足りなさを感じていた人にとっては大きな進歩となっています。一方で、麻雀としての純粋な読み合いを求めると、運やシステムに左右される部分が多く、「インパクトに欠ける」という意見もあります。それでも、遊人のキャラクターが好みであったり、美少女系麻雀ゲームというジャンル自体を楽しめる人には、十分にお薦めできる内容とされています。
まとめ

『遊人 雀獣学園』シリーズは、スーパーファミコン時代に登場した、美少女と麻雀、そして学園ファンタジーを組み合わせた個性的なシリーズです。第1作では、雀獣に変えられた女の子たちを2人打ち麻雀で救っていくシンプルな構成が特徴でしたが、第2作ではRPG風の探索やステータス成長、技の使用などが加わり、ゲームとして大きく進化しました。どちらの作品も、漫画家・遊人のキャラクターを前面に押し出しつつ、家庭用ゲームらしい健全さを保った独特のバランスが魅力です。麻雀の腕前よりも、運や成長要素、爽快な勝利演出を重視した作りは、人を選ぶ部分もありますが、当時ならではの雰囲気と遊び心を感じられるシリーズとして、今も印象に残る存在だと言えるでしょう。
遊人 雀獣学園シリーズの一覧





















