「サターンミュージックスクール」シリーズは、セガサターンとMIDIキーボードを組み合わせ、演奏練習や作曲を楽しめる音楽学習ソフトです。多彩な楽曲収録とDTM対応により、初心者から経験者まで幅広く音楽体験を提供しました。
シリーズの概要

「サターンミュージックスクール」シリーズは、セガサターンと市販のMIDIキーボードを接続して、家庭で本格的な音楽学習や演奏体験ができるユニークなソフトです。1997年に初代が発売され、翌年には続編も登場しました。クラシックや洋楽、邦楽ヒット曲、映画やアニメの主題歌など多彩なジャンルから20曲が収録されており、幅広いユーザーが親しみやすい構成になっています。画面に表示される音符に合わせて演奏したり、お手本演奏を視聴したり、テンポ調整や楽譜表示を活用して練習を進めることができ、初心者から経験者まで対応可能です。またDTM機能も備えており、オリジナル楽曲を制作することもできます。当時の家庭用ゲーム機としては珍しく、娯楽と教育を融合させた本格的な音楽学習環境を提供した点で高く評価されています。
シリーズの魅力
幅広い楽曲ラインナップの魅力

シリーズの最大の特徴は、バラエティ豊かな楽曲を収録していることです。クラシックの名曲から映画やアニメのテーマソング、さらには洋楽のスタンダードナンバーや邦楽のヒット曲まで揃っています。例えば「別れの曲」や「ノクターン」といったクラシック作品のほか、「残酷な天使のテーゼ」や「戦場のメリークリスマス」といった有名曲も収録されています。さらに「Let it be」「Fly me to the moon」など世界的に親しまれている楽曲や、「ライディーン」「ロビンソン」といった日本の人気楽曲まで収録されており、世代やジャンルを超えて幅広く楽しめる点が魅力です。この多彩さによって、音楽に詳しい人から初心者まで自分の知っている曲を見つけやすく、演奏へのモチベーションを高めてくれます。
演奏練習とDTMを両立できるシステム

セガサターンと市販のMIDIキーボードを接続することで、実際に鍵盤を弾く感覚を伴った練習が可能になります。画面には音符が表示され、それに合わせて鍵盤を押す仕組みが用意されており、お手本演奏を聴いたり楽譜を確認したり、テンポを調整することもできます。これにより演奏の練習を自分のペースで進めることができ、初心者は基礎的な練習から取り組め、経験者は難易度の高い楽曲に挑戦することができます。さらに本シリーズはDTMにも対応しており、ただ練習するだけでなく、自分でオリジナル楽曲を作曲できるという大きな可能性を秘めています。学ぶことと創ることを同時に体験できるという点は、他の音楽ゲームにはない独自の魅力です。
当時の家庭用ゲーム機で味わえる本格的な音楽体験

1990年代後半という家庭用ゲーム機の環境で、ここまで本格的に音楽学習に取り組めるソフトは珍しく、ゲームでありながら音楽教育ソフトとしての価値も兼ね備えていました。テレビ画面とキーボードを組み合わせることで、教則本や練習用CDだけでは得られない視覚と聴覚を融合させた学習体験を提供しました。家庭で楽しみながら練習できる手軽さと、実際の演奏技術の習得という実用性が両立していた点が、シリーズの大きな魅力です。レビューでは初心者には少し難しいという意見もありましたが、それは逆に本格的な学習環境としての真剣さを示しており、音楽好きや楽器経験者には特に魅力的に映ったといえます。
シリーズの一覧
サターンミュージックスクール


1997年8月にワカ製作所からセガサターン用として登場しました。セガサターンと市販のMIDIキーボードを併用することで、ピアノやキーボードの練習に取り組めるだけでなく、DTMにも対応しており、自宅にいながら鍵盤演奏と作曲環境をまとめて体験できます。

収録曲は20曲で、「シング」「別れの曲」「サウンド オブ サイレンス」「ブレードランナー」「星に願いを」「クリスマス・イブ」「島唄」「残酷な天使のテーゼ」「アウトラン」「ロビンソン」「サムデイ」「まちぶせ」「戦場のメリークリスマス」「ルパン三世」「in the moon」「Without you」「Fly me to the moon」「Sir Duke」「What’s Gling on」「Smoke on the Water」と、クラシックからポップス、映画音楽、ゲーム音楽まで多彩です。企画そのものは高く評価されつつも、鍵盤にまったく触れたことのない人には難しく感じられるというレビューもあり、よりゆっくり学べるモードが欲しいという意見が挙がっていました。
サターンミュージックスクール2


続編は1998年7月30日に発売されました。基本構成は前作同様、セガサターンと市販のMIDIキーボードを使用して演奏しますが、画面に表示される音符に合わせて鍵盤を弾くスタイルで、お手本の演奏を聴いたり楽譜を表示したり、テンポを調整したりできる点が特徴です。リアルな演奏感を重視しつつ、DTMにも対応しているため、練習だけでなくオリジナル楽曲づくりにも活用できます。

収録曲は全20曲で、「いとしのエリー」「Can you celebrate」「サボテンの花」「HOWEVER」「誰より好きなのに」「ひだまりの唄」「Forever Love」「Let it be」「Jackson’s Cornery」「ライディーン」「もののけ姫」「風の谷のナウシカ」「謎」「Revolution」「You get to Burning」「エレクトリカルパレード」「セナのピアノ2」「ジムノペディ」「ノクターン」「月光」と、邦楽ヒット曲、スタジオジブリ関連曲、洋楽のスタンダード、インストゥルメンタルまで幅広く揃っています。プレイ画面とキーボード入力を活かした演奏練習に適しており、テンポ調整や譜面確認といった学習を助ける要素が用意されています。
まとめ

「サターンミュージックスクール」シリーズは、セガサターンとMIDIキーボードの組み合わせで、家庭に練習と制作の環境をもたらした作品群です。初代は20曲の多彩なレパートリーで鍵盤練習とDTMの入口を用意しつつ、初心者には難度の高さが指摘されました。続編でも20曲構成を継承し、音符表示に合わせて弾く演奏スタイルやお手本再生、譜面表示、テンポ調整、DTM対応といった要素で、練習と創作の両方に対応しています。ゲーム機で本格的に“弾く・学ぶ・作る”をまとめて体験できる点がシリーズの核であり、当時の家庭用機ならではの音楽学習ソフトとして独自の存在感を放っています。
サターンミュージックスクールシリーズの一覧
