【ビクトリーゴールシリーズ】セガサターン時代を彩った傑作サッカーゲーム

ゲームシリーズ
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この記事では、セガサターンで展開されたサッカーゲーム「ビクトリーゴール」シリーズの魅力と進化の流れを紹介しています。Jリーグを題材にした初期作品から、国際版やワールドカップをテーマにした最終作まで、各作品の特徴やゲームシステムの変化をわかりやすくまとめています。シリーズを通して発展していくサッカーゲームの面白さを振り返ります。

シリーズの概要

シリーズの概要
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ビクトリーゴールシリーズは、1990年代にセガサターンで展開されたサッカーゲームシリーズです。Jリーグを題材にした作品から始まり、その後は国際大会を意識した内容やワールドカップをテーマにした作品へと広がっていきました。初期作品では実名のJリーガーが登場し、フィールドの拡大や視点変更などの機能によって試合の臨場感を高めています。シリーズが進むと、選手のポリゴン化や実況・解説の導入によって試合演出が強化され、ヒールキックやフェイントなどの技も追加されました。さらに音楽による試合の盛り上げや、操作の遊びやすさを維持したままゲームバランスを調整するなど、作品ごとに少しずつ進化が重ねられています。最終作では1998年フランスワールドカップを題材にし、日本代表の戦いを体験できる内容になりました。シリーズを通して、当時のサッカー人気やゲーム技術の進歩を反映しながら、セガサターン時代のサッカーゲームを代表する存在として展開された作品群です。

シリーズの魅力

セガサターン時代の進化

セガサターン時代の進化
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ビクトリーゴールシリーズ全体の大きな魅力は、セガサターン時代のサッカーゲームがどのように発展していったのかを、作品を追うごとにしっかり感じ取れることです。最初の作品では、Jリーグの実名選手を使って試合が楽しめることや、フィールドの見え方を変えられることが強い個性になっていました。この時点でもただの簡単なサッカーゲームではなく、試合をどう見せるか、どう遊ばせるかをかなり意識していたことが伝わってきます。そして次の作品では、その土台を生かしながら舞台を国際版へ広げ、同じ仕組みを使いつつゲームバランスを調整することで、前作と似ているのに違う手触りを出していました。さらにシリーズが進むと、選手の表現がポリゴン化され、実況や解説が入り、プレーの迫力や試合らしさが一気に高まっていきます。見た目だけでなく、ヒールキックやまたぎフェイントのような技まで加わり、サッカーゲームとしての見栄えと遊びの幅が広がっていきました。この流れがとても面白く、1本ごとにまったく別のものになるのではなく、前作でできたことを受け継ぎながら新しい要素を重ねていくので、シリーズとしての成長がとてもわかりやすいです。

ビクトリーゴールシリーズを続けて見ると、当時のゲームが新しい表現や新機能を少しずつ取り込みながら前へ進んでいった様子がそのまま見えてきます。単に昔のサッカーゲームを並べたシリーズではなく、セガサターンという時代の技術的な進歩や、スポーツゲームに求められるものの変化まで感じられるところが、このシリーズ全体の大きな魅力です。作品ごとの違いを比べるだけでも十分面白く、ゲームの歴史そのものに触れているような感覚が生まれるのが、ビクトリーゴールシリーズならではの強みだと感じます。

遊びやすさと試合らしい熱気の両立

遊びやすさと試合らしい熱気の両立
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ビクトリーゴールシリーズは、操作しやすいサッカーゲームとしての楽しさと、スタジアムで試合を見ているような熱気の両方をしっかり持っているところが魅力です。サッカーゲームは現実に近づけすぎると難しくなり、逆に簡単にしすぎると単調になりやすいですが、このシリーズはその間をうまく狙っていたように見えます。基本は直感的に遊びやすく、ボールを運ぶ気持ちよさやシュートを決める爽快感が前に出ています。そのうえで、作品ごとに有効な攻め方や守り方に違いがあり、中央突破が強い作品もあれば、サイドからの崩しが光る作品もありました。シュートひとつ取っても、普通のシュートだけでなくグラウンダーやループを使い分ける面白さがあり、ただ適当に打つだけでなく、少し工夫することで得点の形が変わっていくのが楽しいところです。そこへ実況や解説が入ることで、試合の盛り上がりはさらに強くなります。

特にシリーズ中盤以降は、プレーのたびに試合中継らしい空気が出てきて、単なるゲーム画面ではなく、本当に試合の中にいるような気分に近づいていきました。さらにワールドワイドエディションでは音楽の力も加わり、プレー中の気分そのものを盛り上げる作りになっています。音楽を流したまま勢いよく攻める楽しさと、実況モードで試合に集中する楽しさの両方を選べるのは、とても贅沢な作りです。こうした演出面の強さがある一方で、シリーズは遊びやすさも失っていません。複雑すぎる操作を覚えなくても十分楽しめるのに、ダッシュやフェイントのような重要テクニックを知るとさらに奥深くなるので、入口は広く、慣れるほど面白さが増していきます。このわかりやすさと熱気の両立こそ、ビクトリーゴールシリーズ全体を通じて感じられる非常に大きな魅力です。

セガらしい遊び心と時代の空気感

セガらしい遊び心と時代の空気感
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ビクトリーゴールシリーズを特別なものにしているのは、サッカーゲームとしての内容だけでなく、作品のあちこちにセガらしい遊び心が詰まっていることです。このシリーズには、真面目に試合を作り込むだけでは終わらない楽しさがあります。たとえば、リプレイ中の視点変更、デモ画面での細かな操作、音声の変化、変わった見た目の審判や演出など、ゲームの本筋とは少し離れた部分にも細かな仕掛けがたくさん入っています。こうした要素は、勝敗そのものには直接関係しないものが多いですが、触れてみると作品の印象をぐっと強くします。単なる競技の再現だけではなく、家庭用ゲームとしてどう楽しくするかを考えて作られていることがよくわかります。さらに、このシリーズには90年代のサッカー人気や日本サッカーの盛り上がりが色濃く映っています。Jリーグの実名選手が登場する最初期の作品には、当時の国内サッカー人気がそのまま詰まっていますし、国際版やワールドカップ題材の作品からは、視線が日本の外へ広がっていく時代の流れが感じられます。

特に最終作では、日本が初めてワールドカップに出場したという大きな出来事が作品の中心になっていて、サッカーゲームでありながら、その時代の記憶まで一緒に封じ込めたような存在になっています。ゲームシステムの進化だけなら他のシリーズにもありますが、ビクトリーゴールシリーズはそこに当時の空気や熱狂、そしてセガらしい勢いまで重なっているのが強いです。そのため、ただ遊ぶだけでも面白いのに、振り返ると時代そのものを感じられる作品群になっています。サッカーゲームとしての魅力と、90年代らしい勢い、そして細かな遊び心がひとつにつながっているからこそ、ビクトリーゴールシリーズは今見ても独特の存在感を放っているのだと思います。

シリーズの一覧

Jリーグビクトリーゴール

Jリーグビクトリーゴール
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Jリーグビクトリーゴール|セガサターン (SS)|セガ|レトロゲームから最新ゲームまで検索できるゲームカタログのピコピコ大百科
セガより1995年1月20日に発売されたセガサターン初のサッカーゲーム。メガドライブで展開していたJリーグプロストライカーの流れを汲んでいる。発売当時の全192名のJリーガー達が全て実名で登場し、フィールド画面の拡大・縮小と視点変更機能が…

1995年に登場した「Jリーグビクトリーゴール」は、セガサターンで最初に出たサッカーゲームでした。メガドライブで展開していた「Jリーグプロストライカー」の流れを引き継ぎつつ、新しいハードに合わせて表現を広げた作品です。発売当時のJリーガー192名が実名で登場する点はかなり大きく、Jリーグ人気が高かった時代の空気としっかりつながっていました。実在する選手たちで試合を楽しめること自体が、この時期のファンにはかなり強い魅力だったはずです。

この作品でまず目を引くのは、フィールドの拡大や縮小、そして視点変更ができることです。サッカーゲームでは試合中の見え方が遊びやすさに大きく関わりますが、本作はその部分にきちんと手を入れていました。カメラの見え方が変わるだけでも試合の印象はかなり変わりますし、広く見てパスを回したい場面と、ゴール前で迫力を味わいたい場面では求める視点も違います。その点で、当時の家庭用サッカーゲームとしてはしっかり工夫されていたと思います。

Jリーグビクトリーゴール
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さらに、マルチターミナルを使えば最大4人まで同時に遊べるのも見逃せません。サッカーゲームは対戦や協力で盛り上がるジャンルなので、複数人で遊べる環境が最初から意識されていたのは大きかったはずです。ひとりでCPU戦を進めるだけではなく、集まって遊ぶ楽しさも持っていたことで、作品の印象はかなり強くなったように感じます。

ゲームモードもいくつか用意されていて、JリーグモードとSリーグモードでは試合の進め方に違いがありました。Jリーグモードは当時のJリーグの前後期制をもとにしていて、現実のリーグ戦を意識した作りになっています。一方のSリーグモードは勝ち点や得失点差で争う形で、同じリーグ戦でも違う感覚で楽しめます。カップ戦はトーナメント方式で、リーグ戦とは違った緊張感がありますし、好きな選手を集めて戦えるスーパースターモードや、PK戦だけを楽しめる形まで用意されていて、見た目以上に遊び方の幅がありました。

Jリーグビクトリーゴール
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操作面では、直感的に動かせることを大事にしていた印象があります。そのうえで、知っているかどうかで差が出るテクニックもありました。方向ボタンの縦連続入力でダッシュ、横連続入力でフェイントが出せる仕組みはかなり重要なのに、説明書に載っていなかったというのは少し驚かされます。不親切さはあるものの、こうした隠れた要素を見つけて上達していく感覚も、当時のゲームらしいところです。

CPU戦では難易度によってかなり感触が違い、特にイージーではキーパーの反応が鈍く、ペナルティエリア付近からのシュートが決まりやすかったようです。ショルダーチャージも有効で、守備はかなり強引にいける場面が多かったようです。ノーマルになると少し絞られるものの、センタリングの上げ方やシュートの角度を意識すると得点しやすく、ある程度パターンをつかめば戦いやすい作品だったことが伝わってきます。難しすぎず、それでいてコツを覚える面白さがあるバランスだったのではないでしょうか。

Jリーグビクトリーゴール
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裏技や隠し操作が多いのも、この作品らしい味です。キーパー操作時にLやRボタンで位置を動かせたり、リプレイ中に視点の中心を切り替えられたり、デモ画面の見え方まで変えられたりと、本筋とは少し離れた部分にも遊びが詰まっています。旗のはためく速度まで変えられるのは、かなり細かいおまけ要素ですが、こうした無駄に見える遊び心があるとゲーム全体の印象がぐっと豊かになります。

初代「Jリーグビクトリーゴール」は、シリーズの原点であると同時に、後の作品が伸ばしていく要素をすでにかなり持っていた作品です。Jリーグの実名選手、視点変更、複数人プレイ、隠しテクニックなど、後につながる魅力がしっかりそろっていました。最初の1本としての役割を十分に果たした作品だったと感じます。

セガ インターナショナル ビクトリーゴール

セガ インターナショナル ビクトリーゴール
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セガ インターナショナル ビクトリーゴール|セガサターン (SS)|セガ|レトロゲームから最新ゲームまで検索できるゲームカタログのピコピコ大百科
セガより1995年10月27日にセガサターン用ソフトとして発売されたサッカーゲーム。メガドライブで展開していたJリーグプロストライカーの流れを汲んでいる。「ビクトリーゴール」のインターナショナル版。フィールド画面の拡大・縮小と視点変更機能…

同じ1995年の10月に発売された「セガ インターナショナル ビクトリーゴール」は、初代の流れをそのまま海外代表風の舞台へ広げた作品です。基本のシステムは初代とほぼ同じで、フィールドの拡大縮小や視点変更といった要素も引き続き使えます。ただし、大きく違うのは選手がすべて架空であることです。Jリーグの実名選手を前面に出した初代とは違い、今度は国際大会を思わせる雰囲気に切り替えて、シリーズの幅を広げてきました。

システムが大きく変わらないからこそ、調整の違いが目立つ作品でもあります。キーパーの反応がよくなり、プレスも強くなっていて、初代より簡単には押し切れない場面が増えています。見た目には似ていても、遊んだときの手応えはちゃんと変えられていて、単なる差し替えでは終わっていません。前作のやり方がそのまま全部通用するわけではなく、攻め方を少し工夫する必要が出てきた点に、この作品の個性があります。

セガ インターナショナル ビクトリーゴール
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特に有効だったのがサイド攻撃です。前作のような中央突破がやや通りにくくなったため、方向キーの連打による速いドリブルを使い、サイドを一気にえぐってからセンタリングを上げる形が強くなっています。ゴールラインぎりぎりまで切れ込んで、狙った選手に合わせる形が決まりやすく、慣れると連続得点も十分狙えたようです。作品のバランス調整によって、自然と攻撃の形が変わっていくのが面白いところです。

コントローラー設定を変えると、Xボタンでもシュートが打てるようになり、これがグラウンダーのシュートになるのも興味深い点です。普通のシュートより決定力が高い場面もあり、操作設定ひとつで実戦的な選択肢が増えるのはかなり大きいです。さらに今作ではループシュートも狙えるようになり、ペナルティエリアの少し外からでもゴールを狙えるようになっています。前作をベースにしつつ、シュートの楽しさを少し広げた作品だったと受け取れます。

セガ インターナショナル ビクトリーゴール
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チームごとの個性がかなりはっきりしているのも、この作品の面白さです。ブラジルは総合力が高くて扱いやすく、イタリアはドリブル性能が光り、ドイツは守備寄り、イングランドはパワー型、フランスやスペインには弱点も目立つなど、チームによって使い方がかなり変わります。日本と韓国は全体の数値では厳しい立場ですが、日本は前線に比較的使いやすい選手がいるなど、単純な数値だけでは決まらない部分もありました。こうした差があると、どのチームを選ぶかでも遊び方が変わり、繰り返し触る面白さが出てきます。

裏技も引き続き豊富で、試合開始前の操作によって試合中の音声が変わるものや、ループシュートがゴールネットの上に乗ったのに得点判定になるという、かなり印象的な現象まであります。しかも初代の裏技も共通して使えるというのですから、シリーズを続けて遊ぶ人にはうれしい作りです。単に続編を出すのではなく、前作からのお楽しみを持ち越している感じがします。

セガ インターナショナル ビクトリーゴール
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この作品は、初代の土台をそのまま世界へ広げた1本です。名前が変わっただけではなく、キーパーの反応やプレス、攻めの有効な形まで変わっていて、ゲームバランスにしっかり手が入っていました。国際版という位置づけながら、シリーズの方向性を広げる意味ではかなり重要な作品だったと思います。

Jリーグビクトリーゴール’96

Jリーグビクトリーゴール’96
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Jリーグビクトリーゴール'96|セガサターン (SS)|セガ|レトロゲームから最新ゲームまで検索できるゲームカタログのピコピコ大百科
セガより1996年3月29日にセガサターン用ソフトとして発売されたサッカーゲーム。メガドライブで展開していたJリーグプロストライカーの流れを汲んでいる。「ビクトリーゴール」シリーズの1作。キャラクターがポリゴン化され、実況が入るなどシステ…

1996年に入ると、「Jリーグビクトリーゴール’96」でシリーズははっきりと次の段階へ進みます。この作品ではクラブや選手のデータが新しくなっただけでなく、グラフィックや試合演出の面で大きな進化がありました。特に大きいのは、選手がポリゴン化されたことと、実況や解説が試合中に入るようになったことです。初代までの流れを知っていると、この変化はかなりはっきり感じられたはずです。

ポリゴン化によって、試合中の見た目はより立体的になり、ボールを追う動きやプレーの流れに迫力が増しました。当時のゲームでポリゴン表現は新しさそのものでしたし、それがサッカーゲームと結びつくことで、試合そのものの臨場感が一段上がったように感じます。そこへ実況と解説が加わることで、ただ操作しているだけではなく、本当に中継を見ながら試合をしているような雰囲気が生まれています。

Jリーグビクトリーゴール’96
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プレーの面でも新しい技が加わりました。ヒールキックやまたぎフェイントが使えるようになり、ただ前へ運ぶだけではない、見せるプレーも楽しめるようになっています。こうした技があると、ゲームとしての奥行きが増すだけでなく、自分なりの攻め方を組み立てる面白さも出てきます。試合の勝ち負けだけでなく、どう崩すか、どう魅せるかまで考えられるようになったのは大きな進歩です。

一方で、ただ簡単にしたわけではないのも重要です。これまでかなり強かったショルダーチャージは、今作からファールを取られるようになりました。つまり、守備では以前のような強引さがそのまま通らなくなっています。全体としては難易度がさらに下がった感触がある一方で、守備には少しだけ気を使う必要が出てきたわけです。この変化によって、サッカーらしいルールへの意識が前より強まったと感じます。

Jリーグビクトリーゴール’96
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作品内の選手起用やポジションの扱いには少し独特なところもあり、攻撃的な中盤の選手が目立ったり、守備側でも細かな役割分けがはっきりしていなかったりします。けれども、それも当時のゲームらしい大ざっぱさとして受け止めると、むしろ味があります。現実の細かな戦術再現よりも、ゲームとして気持ちよく動かせることが優先されていたように思えます。

さらに印象深いのが、光吉猛修氏が歌うオープニングソングの存在です。セガ作品らしい勢いがあり、ゲームを始める前から気分を高めてくれます。サッカーゲームでありながら、音の面でもしっかり記憶に残る仕掛けを用意しているあたりに、このシリーズの個性がよく出ています。

Jリーグビクトリーゴール’96
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裏技もかなりにぎやかです。ユニフォームが変化したり、実況以外の音声が特定の声に差し替わったり、試合後のビジョンに謎の人物が現れたり、カードが出たときに変わった審判が登場したりと、おまけ要素がとても多いです。こうした部分は本筋のゲーム性とは別ですが、セガらしい遊び心を濃く感じられるところで、シリーズの魅力をさらに強くしています。

「Jリーグビクトリーゴール’96」は、シリーズの転換点だったと言っていい作品です。見た目も音もプレーも大きく変わり、それでいて前作までの遊びやすさは失っていません。シリーズが単に続いているのではなく、ここでしっかり前へ進んだことがはっきりわかる1本です。

ビクトリーゴール ワールドワイドエディション

ビクトリーゴール ワールドワイドエディション
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ビクトリーゴール ワールドワイドエディション|セガサターン (SS)|セガ|レトロゲームから最新ゲームまで検索できるゲームカタログのピコピコ大百科
セガより1996年11月22日にセガサターン用ソフトとして発売されたサッカーゲーム。メガドライブで展開していたJリーグプロストライカーの流れを汲んでいる。「ビクトリーゴール」シリーズの1作。音楽がすばらしく、試合の臨場感をうまく表現してい…

1996年末に発売された「ビクトリーゴール ワールドワイドエディション」は、「’96」で作られた土台を受け継ぎながら、試合中の雰囲気作りをさらに強めた作品です。特に目立つのは音楽の存在で、試合中に流れる曲が大きな魅力になっています。サッカーゲームは試合の流れそのものが大事ですが、この作品ではそこに音楽の高まりが重なり、プレイしている最中の気分まで持ち上げてくれます。

音楽を聴きながら試合をすると、ただ勝敗を競うだけではない独特のノリが生まれます。その一方で、試合に集中したい場合は実況モードに切り替えることもでき、音楽を流さずに遊ぶことも可能です。この切り替えができるのはかなり親切で、派手な演出を楽しみたいときと、純粋に試合の流れを追いたいときの両方に対応しています。演出を押しつけるのではなく、遊ぶ側に選ばせてくれるのがよいところです。

ビクトリーゴール ワールドワイドエディション
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操作性は基本的に「ビクトリーゴール’96」とほぼ同じで、その作品に慣れている人ならすぐに入っていけます。シリーズ物では、前作から急に感覚が変わると戸惑いが出ますが、本作はそうした不安が少なく、積み上げ型の安心感があります。シリーズを追ってきた人にとっては、この安定感も魅力だったはずです。

ただ、カメラアングルによる操作のしやすさには差があり、縦の視点では動かしやすくても、横の視点ではかなり扱いにくい場面があったようです。ここは前作から続く弱点でもあり、せっかくの試合の盛り上がりを少し損なう部分だったかもしれません。見え方を選べるのは長所ですが、そのどれもが同じように遊びやすいわけではないという点は、少し惜しいところです。

ビクトリーゴール ワールドワイドエディション
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難易度面では、最も高い設定で遊ぶと、相手がかなり強引なプレーをしてもカードが出にくいなど、納得しにくい部分もあったようです。強いというより理不尽に感じる場面があると、純粋な手応えとは少し違うものになります。とはいえ、そのあたりも含めて当時のゲームらしい荒さであり、完全に整えすぎないところが逆に印象に残ります。

この作品は、シリーズ全体の中で見ると大きく仕組みを変えた1本ではありません。しかし、音楽と実況の切り替えによって試合の空気を調整できる点はかなり面白く、「遊ぶサッカーゲーム」から「雰囲気ごと味わうサッカーゲーム」へ少し踏み込んだ作品だったと感じます。ゲームの中身を磨くだけでなく、試合体験そのものをどう心地よくするかを考えた1本として印象に残ります。

Jリーグビクトリーゴール’97

Jリーグビクトリーゴール’97
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Jリーグビクトリーゴール'97|セガサターン (SS)|セガ|レトロゲームから最新ゲームまで検索できるゲームカタログのピコピコ大百科
セガより1997年3月14日にセガサターン用ソフトとして発売されたサッカーゲーム。メガドライブで展開していたJリーグプロストライカーの流れを汲んでいる。「ビクトリーゴール」シリーズの1作。96以降はキャラクターがポリゴン化され、実況が入る…

1997年に発売された「Jリーグビクトリーゴール’97」は、シリーズの集大成に近い位置にある作品です。基本操作やグラフィックは「’96」や「ワールドワイドエディション」とかなり近く、ここまでの流れで作られた形をしっかり引き継いでいます。大きな変化で驚かせるというより、これまで築いてきたものを安定させ、より完成度の高い形にまとめた印象です。

ポリゴン化された選手、実況の導入、そしてヒールキックやまたぎフェイントといった技はそのまま続いていて、シリーズのらしさがしっかり残っています。前作までを好きだった人にとっては、この安心感はかなり大きかったと思います。サッカーゲームは、少しの操作差でも遊び心地が変わってしまうジャンルですが、本作はその良さを崩さずに仕上げています。

Jリーグビクトリーゴール’97
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また、他の有名サッカーゲームを遊んだあとでも、こちらのほうが面白いと感じられるほど印象がよいという感想をもつユーザーもいます。これは単に昔の作品だから思い出補正でよく見えるのではなく、シリーズ独自のテンポや操作感がしっかり魅力になっていたからでしょう。現実にどれだけ近いかだけでなく、ゲームとしてどれだけ気持ちよく遊べるかが大事だと改めて感じます。

「’97」は、新しい機能を強く押し出す作品ではないぶん、シリーズをここまで育ててきた要素の強さがよく見える作品です。実在のJリーグを題材にしながら、セガらしい軽快さや遊びやすさを保ち、さらに実況やポリゴンによる時代らしい新しさも持っていました。派手さで目立つ作品ではなくても、シリーズの完成形としてかなり重要な1本だと思います。

ワールドカップ’98 フランス ロード・トゥ・ウィン

ワールドカップ’98 フランス ロード・トゥ・ウィン
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ワールドカップ'98 フランス ロード・トゥ・ウィン|セガサターン (SS)|セガ|レトロゲームから最新ゲームまで検索できるゲームカタログのピコピコ大百科
セガより1998年6月11日にセガサターン用ソフトとして発売されたサッカーゲーム。ワールドカップフランス大会をモチーフしており、ゲーム内の日本人選手は全て実名で登場する。アジア地区最終予選の感動をシナリオ上で実際に体験できる「Road t…

1998年に発売された「ワールドカップ’98 フランス ロード・トゥ・ウィン」は、ビクトリーゴールシリーズの最終作です。題材は、日本が初出場したフランスワールドカップです。シリーズの締めくくりとして、この大きな舞台を選んだのはとてもわかりやすく、時代の熱気ともきれいに重なっています。日本サッカーにとって特別な大会をゲームとして体験できる点だけでも、この作品の価値はかなり高いです。

本作では、日本人選手が実名で登場します。35人の候補から22人の最終メンバーを選べる仕組みになっていて、代表メンバーを決める楽しさまで入っています。ワールドカップという特別な大会をただなぞるだけではなく、その前段階の人選まで触れられるのは面白いところです。ほかの国の選手は実名ではなく、そこは少し惜しい部分ですが、ライセンスの事情を考えれば仕方のないところだったのでしょう。

ワールドカップ’98 フランス ロード・トゥ・ウィン
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モードとしては、ワールドカップ本大会を実際の組み合わせで戦えるだけでなく、アジア最終予選の感動をたどる「Road to FRANCE」も用意されています。特にジョホールバルのイラン戦をプレイできるのは印象的です。あの試合をゲームで追体験できるのは、当時の日本代表を応援していた人にはかなり大きかったはずです。その一方で、最終予選全体を最初から戦う形でも遊びたくなる気持ちもよくわかります。それほど題材としての魅力が強かったのだと思います。

試合部分はビクトリーゴールらしさをしっかり残しつつも、直前の「’97」とは少し傾向が変わっています。センタリングからのヘディングが決まりにくくなり、逆にキーパーを抜きやすくなっていて、初期作品に近い感覚が戻ってきています。そのため、攻撃では中央突破からフェイントでキーパーをかわす形がかなり有効になっています。シリーズを追ってきた人ほど、この変化はすぐに感じられたはずです。

ワールドカップ’98 フランス ロード・トゥ・ウィン
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守備ではショルダータックルが以前ほど決まりにくくなっていて、相手を止めるのが少し難しくなっています。初期や中期の作品では守備が簡単すぎると感じる部分もありましたが、本作ではそこが少し改められ、より考えて守る必要が出てきました。日本代表の能力が低めに設定されていることも重なって、簡単に押し切るだけでは済まない場面が増えています。この変化はシリーズ最終作として悪くない調整だったと思います。

一方で、相手と離れた位置でボールを持って止まるとCPUがほとんど動かなくなるという、シリーズらしい抜け道も残っています。リードしたあとに時間を使う方法として使えるのは、ゲームらしいゆるさでもあります。こうした部分まで含めてビクトリーゴールらしさが残っているのを見ると、最終作でも完全に別物にはしていないことがわかります。

本大会を勝ち抜いていく流れも熱く、決勝でフランスを破って初出場初優勝という、現実ではかなわなかった夢の展開まで実現できます。こうした「もしも」をかなえてくれるのはスポーツゲームの醍醐味です。現実の記憶が強い大会ほど、その魅力は大きくなります。

ワールドカップ’98 フランス ロード・トゥ・ウィン
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ベスト11に関する要素も見どころです。日本代表ベスト11では、選ばれなかった選手や意外な顔ぶれが入ることもあり、ゲームならではの評価が見えてきます。世界選抜ベスト11でも、ブラジル勢が多数を占める一方で、優勝国フランスから誰も入らないなど、現実とは少し違う結果になります。発売時期がワールドカップ開幕直後だったことを考えると、実際の大会結果を反映しきれないのは当然ですが、そこに当時の開発スケジュールの空気まで感じられます。

この作品は、ワールドカップという大舞台にシリーズを結びつけた最終作です。日本代表への思い入れ、シリーズの操作感、そして少し調整された試合展開がひとつになっていて、締めくくりにふさわしい存在感があります。ライセンス面での制約はあるものの、それを超えて記憶に残る1本だったと感じます。

まとめ

まとめ
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ビクトリーゴールシリーズを通して見ると、セガサターン時代のサッカーゲームがどんな形で進化していったのかがよくわかります。最初の「Jリーグビクトリーゴール」では、実名Jリーガーや視点変更、4人同時プレイといった要素で土台を作り、「セガ インターナショナル ビクトリーゴール」では同じ仕組みを世界向けの舞台に広げながらバランス調整も進めました。そして「Jリーグビクトリーゴール’96」でポリゴン化と実況による大きな進歩を見せ、「ビクトリーゴール ワールドワイドエディション」では音楽による臨場感を強め、「Jリーグビクトリーゴール’97」でその形を安定させています。最後の「ワールドカップ’98 フランス ロード・トゥ・ウィン」では、日本初出場のワールドカップという熱い題材を取り込み、シリーズを締めくくりました。

このシリーズの魅力は、ただリアルさを追うだけではなく、遊びやすさと勢い、そしてセガらしいお祭り感をしっかり持っていたことにあります。実名選手のうれしさ、視点変更の工夫、ポリゴンや実況の新鮮さ、音楽による高まり、そして数多くの裏技や遊び心まで、どの作品にもそれぞれの味がありました。作品ごとに少しずつ形を変えながらも、ビクトリーゴールらしいテンポのよさは最後まで失われていません。

セガサターンのサッカーゲーム史を振り返るとき、ビクトリーゴールシリーズは単なる1シリーズではなく、その時代の挑戦と熱気を映した存在だったと感じます。Jリーグの盛り上がり、世界の舞台への広がり、技術の進歩、そして日本代表の夢まで、このシリーズには90年代サッカーゲームの面白さがしっかり詰まっています。

ビクトリーゴールシリーズの一覧

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