この記事では、『ファンタジーゾーン』シリーズの特徴や魅力、各作品の違いをわかりやすく整理しています。パステルカラーの世界観やお金を使ったパワーアップ要素など、シリーズの共通点と進化をまとめ、初代から派生作まで一連の流れを短く把握できる内容になっています。
シリーズの概要

『ファンタジーゾーン』シリーズは、1986年にセガから登場した横スクロールシューティングを起点とし、明るいパステルカラーと丸みを帯びたデザインで構築された独特の世界観を特徴としています。自機オパオパを操作し、敵を倒して得たお金でパワーアップを購入する「ショップシステム」がシリーズ共通の核となっており、稼ぎと装備選択の駆け引きがゲーム性を支えています。初代は任意スクロールによる自由なプレイ感で人気を博し、続編『ファンタジーゾーンII』では家庭用向けにゾーン制やライフ制が導入され、探索性が強化されました。携帯機向けの『オパオパJr.の冒険』では携帯機らしい工夫が加えられ、メガドライブの『スーパーファンタジーゾーン』は初代を尊重しつつ新要素を盛り込んだリスペクト作として高い評価を得ています。さらに派生作としてアクションの『オパオパ』や固定画面シューティングの『ギャラクティックプロテクター』も存在し、シリーズは多様な形で広がりながらも、軽快な音楽とポップな世界観を共通の魅力として保ち続けています。
シリーズの魅力
パステルカラーと曲線がつくる唯一無二の世界観

『ファンタジーゾーン』シリーズの大きな魅力は、当時のシューティングでは珍しかったパステルカラーの世界と、やわらかい曲線で描かれたキャラクターデザインにあります。初代『ファンタジーゾーン』は、暗い宇宙空間が主流だったシューティング界において、色とりどりの地形やコミカルな敵キャラクターを登場させ、プレイヤーを明るく幻想的な世界へ引き込みました。ステージには砂漠や水辺などが混在し、キャラクターたちは丸みを帯びた優しい見た目で統一されています。この雰囲気は続編や派生作品にも継承され、『ファンタジーゾーンII』では家庭用機向けにさらに色彩が強調され、ゲームギア版『オパオパJr.の冒険』では発色数の多いハード特性を生かしてアーケードに近い鮮やかさが再現されました。また『ギャラクティックプロテクター』では惑星の表情が変化するなど、背景そのものがキャラクター性を持つように作られています。オパオパやウパウパといったデザイン性の高いキャラクターはシリーズの象徴となり、人気キャラクターランキングでも上位に入るほど強い存在感を放ちました。こうした世界観の魅力は、「かわいいのに難しい」というギャップを演出し、ゲーム体験をより印象深いものにしています。
お金を稼ぎショップで強くなる独特のパワーアップ要素

シリーズの核となっているのが、お金を集めてパワーアップを購入するという仕組みです。シューティングでは通常、アイテムを取れば即パワーアップする方式が一般的ですが、『ファンタジーゾーン』では敵や前線基地を倒すとコインが出現し、そのコインを使ってショップでスピードアップ翼やショット、ボム、さらには残機まで買うことができます。コインの額面は複数の段階があり、前線基地は高額コインを落とす代わりに時間経過で価値が減っていくため、効率良く敵を倒す判断が常に求められます。購入したパーツはミスをするとすべて失われるため、稼ぐ・買う・失うという緊張感のあるループが形成されます。続編の『ファンタジーゾーンII』ではショップが固定配置になり、ゾーンごとに品ぞろえが異なるなど探索性が加わりました。ゲームギア版ではどこでもパーツセレクト画面を開ける機能が追加され、道中は雑魚戦向け、ボス前に強力な装備へ切り替えるといった戦略の幅が広がっています。さらに『スーパーファンタジーゾーン』ではボム系が「SPECIAL WEAPON」に分類され、より多くの武器を並行して扱えるようになりました。敵を倒して稼ぎ、装備を揃え、そしてミスで失うという一連の流れは、シリーズが共通して持つ中毒性の源泉となっています。
自由に動き回れるステージ構造が生む能動的なプレイ感

初代『ファンタジーゾーン』の特徴的なシステムとして、左右どちらにもスクロールして進める「環状ステージ」があります。通常の横シューティングは右方向へ進む一方向スクロールが一般的でしたが、このシリーズではプレイヤー自身が動く方向を選べるため、敵の配置や攻撃を自分でコントロールしている感覚を味わえます。レーダーを見て前線基地の位置を把握し、破壊する順序を考えながら進むことで、単なる反射神経だけでなく計画性も必要になります。『ファンタジーゾーンII』ではこれをさらに発展させ、ラウンドを複数の「ゾーン」に分割し、ワープゾーンで行き来する仕組みを導入しました。ゾーンごとに前線基地があり、どの順番で回るかを考えることで攻略の幅が生まれます。『オパオパJr.の冒険』もこの構造を踏襲しつつ、携帯機向けに視覚的トラップを追加することで、よりステージごとの個性を強調しました。一方『ギャラクティックプロテクター』では方向性が変わり、中心の惑星を守りながら周囲を回る固定画面シューティングとなりましたが、パドルコントローラによる円状の操作はシリーズらしい「自由に動く感覚」を別方向に再構成したものです。いずれの作品も「自分で状況を切り開く」感覚が強く、ステージ構造そのものがシリーズの魅力として機能しています。
作品ごとに異なるシステム進化

シリーズのもう一つの魅力は、続編や派生作品ごとに大きく異なるシステムを導入しつつも、「ファンタジーゾーンらしさ」が失われていない点です。『ファンタジーゾーンII』ではライフ制が採用され、被弾=即ミスではなくパワーメーターを管理する遊びが加わりました。ゾーン制や隠しショップなど家庭用向けの仕掛けも加わり、探索的なゲーム性が強調されています。ゲームギア版『オパオパJr.の冒険』では、携帯機での短時間プレイに合わせてどこでもパーツ変更が可能となり、装備切り替えによる戦術が大きく広がりました。『スーパーファンタジーゾーン』は初代の良さを忠実に再現しつつ、ボム系を独立した「SPECIAL WEAPON」として扱うことで武器の組み合わせが増え、さらにボス再挑戦時にショップ風船が出現する救済措置も導入されています。ジャンルそのものを変えた『オパオパ』はドットイート形式にしながら、ドット=お金として扱うことでシリーズの根幹を残し、『ギャラクティックプロテクター』では惑星防衛型シューティングとして味付けを変えています。このように作品ごとに明確な個性がありながら、稼ぎ・装備・ポップな世界観という軸が共通している点が、シリーズ全体を長く愛されるものにしています。
軽快なBGMとハード特性を活かした音作り

『ファンタジーゾーン』シリーズは音楽の評価が非常に高く、どの作品もハード特性を最大限に活かして作曲されています。初代『ファンタジーゾーン』ではヤマハYM2151のみを使用した軽快なサウンドが特徴で、作曲者の川口博史は静止画を見ながら曲作りをしたと語っています。明るくかわいらしい世界観に合わせたメロディラインは強い印象を残し、とくにラウンド1のテーマや最終ボス曲「YA-DA-YO」はシリーズ屈指の人気曲です。『ファンタジーゾーンII』ではPSG音源に加えFM音源にも対応し、家庭用ながら豊かな音色が表現されました。ゲームギア版『オパオパJr.の冒険』はPSGのみという制限の中でも原作らしい小気味よい曲調を保ち、サンバホイッスルの再現など細部まで丁寧に作られています。『スーパーファンタジーゾーン』ではサンソフトの作曲陣によってメガドライブらしい太い音が活かされ、アーケード版とは異なる独自の魅力を持つサウンドに仕上がりました。さらにセガサターン版では作曲者自身によるボーカルアレンジが収録されるなど、音楽面での展開も広がっています。どの作品も明るさとテンポの良さを軸にしており、世界観を支える重要な要素となっている点が、シリーズ全体の魅力として大きく貢献しています。
シリーズの一覧
ファンタジーゾーン

シリーズの原点となる『ファンタジーゾーン』は、1986年3月にアーケード向けとしてセガから登場しました。横スクロールシューティングという枠組みの中で、自機「オパオパ」を操作し、カラフルな惑星を自由に飛び回りながら敵を撃破していきます。操作は8方向レバーとショット、ボムの2ボタンというシンプルな構成ですが、ステージは左右どちらにもスクロールさせることができ、さらに上下方向にも少しだけ画面を動かせるため、プレイヤー自身が進行方向を決めて戦う能動的なゲーム性が生まれています。
各ラウンド(ステージ)は環状の構造をしており、画面を右に進んでも左に進んでも、最終的には同じ場所へ戻ってくる仕組みです。このループ構造の中に「敵前線基地」が点在しており、アーケード版では1ラウンドに10個、ファミコン版では8個の基地が配置されています。プレイヤーはレーダーを頼りに基地の位置を探し出し、それらをすべて破壊するとボスが出現し、ボスを倒すことでラウンドクリアとなります。基地の位置自体は固定ですが、プレイヤーが自由にスクロールさせられるため、敵の出現タイミングや攻撃パターンが動的に変化し、毎回同じ行動では通用しない、独特の緊張感が生まれています。

最終面であるラウンド8では、それまでとは異なり前線基地が存在せず、ラウンド1から7までに登場したボスたちとの連続バトルがプレイヤーを待ち受けています。過去のボスをすべて倒すと最後のボスとの決戦となり、そのボスを撃破することでエンディングに到達します。エンディング後は残機数に応じたボーナス点(残機×100万点)と、所持金に応じたボーナス(所持金×10点)が加算され、装備はそのままに、残機1・所持金0の状態で次の周回に突入します。このループ構造により、単にクリアするだけでなく、スコアをどこまで伸ばせるかという遊び方も重視された作品となっています。
このゲームでもっとも特徴的なのが「ショップ」とお金によるパワーアップシステムです。敵を倒すとコインが出現し、そのコインを集めていくと、時々現れる「SHOP」と書かれた赤い風船に入店できるようになります。ショップではスピードアップ用の翼や、攻撃力の高いショット、強力なボム、さらには残機の追加まで、お金さえあればさまざまなパーツを購入できます。コインには9段階の額面があり、コインの大きさと数字(1〜9)によって価値がわかるようになっているほか、前線基地を破壊したときに出るコインは高額ですが、ラウンド開始から時間が経つほど額面が下がっていくという仕様もあり、素早く敵を倒していくプレイが求められます。ボスを倒した際に大量にばらまかれるコインも、ラウンドクリアのジングルが鳴っている間しか回収できないため、最後まで気を抜けません。

オパオパが装備できるパーツは多岐にわたり、同じ系統のパーツを複数持っていても一度に装備できるのは1種類のみです。また、一度ミスをすると、装備中のものだけでなく買いだめしていたパーツもすべて失われてしまいます。初期装備はSMALL WINGS、TWIN SHOT、SINGLE BOMBとなっており、ここから少しずつお金を貯めてパワーアップしていく流れが基本となります。この「稼いで買う」「失敗すると一気に失う」という構図が、かわいらしい見た目とは裏腹にシビアなゲーム性を生み出しています。
開発の背景としては、前年に人気を博した『グラディウス』を超えるゲームを作る、という目標が掲げられていたとされています。空間を自由に動き回るシューティングという点で、対空・対地の2系統の武器を使い分ける仕組みは踏襲しつつも、世界観は大きく方向転換されました。グラディウスのような暗い宇宙空間や硬質な戦闘機ではなく、やわらかい曲線を多用した地形、砂漠や水辺が混在するカラフルなステージ、コミカルな敵キャラクターといったデザインが採用され、独自の「ファンタジーゾーン」が構築されています。また、プレイヤーが任意にスクロール方向を選べる仕組みは、アーケードシューティング『ディフェンダー』を参考にしたものだとされています。

基板には旧バージョンと新バージョンが存在し、それぞれにマイナーチェンジ版もあるため、合計4種類のバージョンが存在します。新バージョンではラウンド開始時にBGMの曲名が表示されたり、ラウンド5のBGM「HOT SNOW」にメロディラインが追加されていたり、ラウンドクリア時の音楽やタイトル画面演出が変更されているなど、細かい違いがあります。この新バージョンは一部では「USA版」と紹介されますが、日本国内にも少数ながら出荷されています。
音楽面では、当初別の作曲者が担当する予定だったものの、できあがった曲が作品の雰囲気と合わなかったため、川口博史(Hiro)が新たに起用されています。川口は静止画をもとに曲作りを進めたことや、楽曲の作風に大野木宜幸からの影響があったことを語っています。使用音源はシステム16Aに搭載されたヤマハYM2151(OPM)のみで、ADPCMは使われておらず、作曲にはヤマハのポータブルキーボードPSR-70が用いられました。最終ボスのBGM「YA-DA-YO」には歌詞が存在し、後年発売されたセガサターン版には、作曲者自身が編曲したラウンド1のBGMのボーカルバージョンも収録されています。

評価面では、海外・国内の各種媒体で高得点を得ており、アーケード版はゲーム誌「ゲーメスト」の企画「ゲーメスト・オブ・ザ・イヤー」1986年において編集部選考で銀賞を受賞しています。また、読者投票による「ザ・ベストゲーム」では、全アーケードゲームの中で第18位となり、「幻想的な世界を見事に描いたグラフィック」「心地よいサウンド」「奇抜な敵の攻撃」が高く評価されています。ファミコン版やPCエンジン版も各誌のレビューで高得点を獲得しており、特にファミコン版では、お金を集めてショップでパワーアップを買う仕組みが「非常にユニークなシューティング」として紹介されています。セガサターン版の移植においては、元のプレイを再現するトレースモードや処理落ちなしの再現度が評価され、「オリジナル以上かもしれない」とまで言及されました。
ゲームソフト
セガマーク3版

ファミコン版

PCエンジン版

セガサターン版

プレイステーション2版


ファンタジーゾーンII オパオパの涙

『ファンタジーゾーンII オパオパの涙』は、1987年8月1日にセガ・マークIII用ソフトとして発売された続編で、北米や欧州ではセガ・マスターシステム向けとしてリリースされました。基本的な方向性は前作と同じく、パステルカラーの世界をオパオパで飛び回り、敵を倒してお金を集め、ショップでパワーアップを購入するという流れですが、家庭用ゲーム機ならではの遊び方を意識した追加要素が多数盛り込まれています。
最も大きな変化は、1つのラウンドが複数の「ゾーン」に分割されたことです。ラウンド1と2は3つ、ラウンド3から7は5つのゾーンで構成されており、それぞれのゾーンに前線基地が存在します。特定の基地を破壊すると青い四角形の「ワープゾーン」が出現し、そこを通ることで別のゾーンへ移動できます。各ラウンドにおいて、すべてのゾーンの前線基地を破壊したあと、唯一存在する赤い八角形のワープゾーンに入るとボス戦が始まります。ボス戦でミスをすると、即座に再戦にはならず、通常ゾーンからやり直しとなるため、ゾーン構造を再び移動しながら再挑戦の準備を整える必要があります。

この作品ではライフ制が導入され、「POWER」と表示されるパワーメーターによってオパオパの耐久力が示されます。初期状態では、敵弾を受けるとメーターの半分を失い、敵に体当たりされるとメーターがすべてなくなってミスになる程度の長さですが、ショップで専用のパーツを購入することでメーターを伸ばしたり、減った分を回復したりできます。前作のように一発被弾で即残機を失うわけではなく、ある程度のダメージを許容できるようになったことで、家庭用ゲーム機ならではの遊びやすさが意識された調整になっています。
ショップの仕組みも大きく変化しています。前作では、赤いショップ風船が時々出現し、そこに触れて入店する形でしたが、今作では特定のゾーンの決まった場所に雲のような形をしたショップが設置されています。このショップには何度でも出入りでき、パーツの購入だけでなく装備の付け替えも自由に行えます。さらに、ショップによって品ぞろえが異なっていたり、弾を撃ち込むことで出現する隠しショップが存在したりと、探索要素も加わっています。ショップ以外にも、特定の場所に撃ち込むことで現れる隠しアイテムが用意されており、ラウンド1と8を除くほぼすべてのラウンドに1つずつ(ラウンド7のみ2つ)配置されています。

お金のシステムも前作から調整されています。通常の敵から得られるコインは、倒すまでの時間には影響されず、敵の種類やラウンド数によって金額が固定されています。前線基地から出現する敵は1体撃破するごとに小さなコインを落とし、その金額は「ラウンド数×50」となっています。編隊を組んで登場する敵は、編隊を全滅させることで大きなコインを落とし、前線基地そのものは新たに登場する紙幣を落としてくれます。この紙幣の金額は「ラウンド数×500」となっており、ラウンドが進むほど効率よく稼げるようになります。ラスボスを倒した際には、残機×100万点と残金×10点のボーナスが得られますが、残機が0の状態でクリアした場合にはボーナスが一切加算されないため、残機管理も重要な要素となります。また、前作が周回を重ねて遊び続ける構造だったのに対し、本作は1周でエンディングを迎える仕様へと変更されています。
オパオパの装備できるパーツの扱いは基本的に前作と共通で、同系統のパーツは一度に1種類しか装備できず、ミスをすると非装備のものも含めてすべて失われます。こうした点から、稼いだお金の使い道や、どのタイミングで強い装備に切り替えるかといった駆け引きは引き続き重要になっています。

物語の舞台は前作の10年後にあたるB・G1432年で、「ファンタジーゾーン」に再び侵略の危機が訪れたことからストーリーが始まります。前作のラストで姿を見せたオパオパの父は再び行方不明となっており、新たな侵略者の正体や父の消息など、いくつかの謎を含んだまま物語は進行していきます。
評価面では、各種ゲーム誌のレビューで中〜高程度の点数を得ており、ファミコン版のレビューでは、全体的な完成度を「標準レベル」としながらも、敵キャラクターの動きやデザインについて「ユニークで楽しめる」といった肯定的な意見が紹介されています。前作ほどのインパクトはないものの、家庭用向けに工夫されたシステムや、ゾーン制による探索性が評価された作品といえます。
ゲームソフト
セガマーク3版

ファミコン版

ファンタジーゾーンギア オパオパJr.の冒険


『ファンタジーゾーンGear オパオパJr.の冒険』は、1991年7月19日にゲームギア用ソフトとしてサンリツ電気から発売された、携帯機向けのオリジナル作品です。これがシリーズ初の携帯機進出作となり、時系列上はもっとも後の時代を舞台にした物語が展開されます。全7ラウンド構成で、1周エンドの作りになっており、持ち運びできるハード向けとして、程よいボリュームのシューティングゲームとなっています。
開発を担当したサンリツ電気はセガと関係の深い会社で、この作品の発売前にはセガとサンリツ電気の共同出資によってシムスが設立されており、その際にサンリツ電気のゲーム開発部門がシムスへ移管されています。そのため、後年発売された名作コレクション版のカートリッジでは、コピーライト表記にシムスの名前が記されています。

ストーリーは宇宙歴6344年、「ファンタジーゾーン」が再び正体不明の敵に支配されようとしているところから始まります。通貨の混乱や人々の失踪が相次ぐ中、オパオパの息子である「オパオパJr.」のもとに一通の手紙が届きます。その内容は、「ファンタジーゾーンは我々の手により“ファンタジーゾーンGear”として生まれ変わる。英雄オパオパはすでに捕らえた」という挑発的なものです。父が敵の手に落ちたと知ったオパオパJr.は、わずかな武装を頼りに、単身ファンタジーゾーンGearへと乗り込んでいくことになります。
ゲーム内容はシリーズの基本を受け継いでおり、横スクロールするステージで前線基地を破壊し、ボスを倒して進んでいく構造です。ゲームギアはセガ・マークIIIの上位互換的な性能を持つハードですが、発色数が大幅に増えていることから、本作ではアーケード版に近いパステルカラーの雰囲気を再現することを重視したグラフィックが採用されています。前線基地がしっかりとアニメーションするほか、基地そのものが細かく揺れる表現が加えられており、ショップに入る際にはカーテンが開く演出が挿入されるなど、見た目の表現は大きくレベルアップしています。タイトルロゴやボス登場時にはラスタスクロールによる演出も用意されており、小さな画面ながら賑やかな印象を与えます。また、ステージの見た目を利用したトラップも登場しますが、ゲームバランスを崩さない程度に抑えられており、難易度のアクセントとして機能する形になっています。

本作ならではの便利な要素として、ラウンド道中であればいつでもポーズボタンからパーツセレクト画面に切り替えられるシステムがあります。これにより、雑魚戦に適した装備で道中を進み、ボス戦直前で対ボス向けの装備に切り替えるといった柔軟な戦略がとれるようになっています。ショップの品ぞろえも携帯機での遊びやすさに配慮した内容となっており、時間制限がなく後方にも攻撃できるショットや、上下同時にミサイルを撃つ武器、自動連射を付与するビームなど、扱いやすい装備が用意されています。誘導弾を放つショットや、ため撃ちを行う攻撃、一定数の被弾を防いでくれるシールドといった強力な装備も存在しますが、これらは高額なパーツとして設定されており、稼ぎと出費のバランスを考える楽しみが生まれています。
音楽面でも本作は高く評価されています。ゲームギアはPSG音源のみという制約を持ちながらも、ほぼオリジナルの新曲で構成されたBGMは、シリーズの軽快な雰囲気をしっかりと受け継いでいます。サンバホイッスルの音も丁寧に再現されており、小さなスケールながら抑揚のある楽曲が展開されます。エンディングテーマでは「OPA-OPA!」というフレーズが使われており、シリーズファンに向けたサービス的な要素として印象に残る作りになっています。
スーパーファンタジーゾーン


『スーパーファンタジーゾーン』は、1992年1月14日にメガドライブ用ソフトとしてサン電子(サンソフト)から発売された作品です。ヨーロッパでは同年9月11日にリリースされました。セガがアーケードで展開した初代『ファンタジーゾーン』のゲームシステムを受け継いだオリジナル作品でありながら、開発はセガではなくサンソフトによって行われています。後年にはWiiのバーチャルコンソール配信や、PlayStation 2用『セガエイジス2500シリーズ Vol.33 ファンタジーゾーン コンプリートコレクション』にも収録され、シリーズを代表する家庭用タイトルのひとつとして知られています。

物語の舞台は宇宙暦623X年。ファンタジーゾーンの辺境に位置する悪霊の惑星メノン付近で異常な重力現象が発生し、それを調査しようとした宇宙パトロール隊は、「ダークメノン」を名乗る軍団によって交信を絶たれてしまいます。ダークメノン軍はファンタジーゾーンの征服を目論み、各地の惑星都市を次々と占領して略奪と破壊を繰り返していきます。この脅威にいち早く気づいたオパオパの父・オパパは単身メノン星へ向かいますが、その強大な軍勢の前に倒れてしまいます。父の仇を討ち、ファンタジーゾーンに平和を取り戻すため、オパオパは再び戦いの空へと飛び立ちます。
ゲーム内容は初代『ファンタジーゾーン』を強く意識したものとなっており、前線基地を破壊してボスを倒すという基本的な流れや、ショップでのパワーアップシステムなど、シリーズの核となる要素が忠実に受け継がれています。そのうえで、本作ならではの変更点として、ボム系のパーツの扱いが挙げられます。初代ではWEAPON 2として扱われ、使用回数に制限があるタイプのボムでしたが、『スーパーファンタジーゾーン』では「SPECIAL WEAPON」という新しいカテゴリにまとめられました。この変更によって、ツインボムを使いながら別の強力なボムを装備しておくといった形で、より多くの武器を組み合わせることが可能になり、戦術の幅が広がっています。

また、ボス戦でミスをした場合の挙動にも改良が加えられています。ショップ風船が出現する条件を満たしているときにボス戦でミスすると、再スタート直後、ボス戦が始まる前にショップ風船が飛来するようになりました。これにより、装備を立て直してから再挑戦できるため、難所で行き詰まってしまった際の救済手段として機能しています。オパオパが装備できるパーツの基本ルールは初代と同じで、同系統のパーツは一度に1種類しか装備できず、ミスをすると非装備のものも含めすべて失われます。かわいらしい見た目と裏腹に、ミスの重みは依然として大きく、緊張感のあるプレイが求められます。
音楽はサンソフトの作曲陣である小高直樹、瀬谷辰宇、原伸幸が担当し、メガドライブらしいサウンドでポップかつノリの良いBGMが多数用意されています。各種ゲーム誌やオンラインメディアのレビューでは、キャラクター性や音楽、操作性など多くの項目で高い点数を獲得しており、「メガドライブ大全」では「セガ以外のメーカーから出たことが信じられない」とまで評されています。また、裏技で前作のBGMを流しながらプレイできる要素も存在し、その状態で遊ぶと初代のプレイ感覚を色濃く感じられるつくりになっていると紹介されています。こうした点から、本作は「前作への深いリスペクトと技術力が結びついて生まれた幸福な続編」と総括されています。
オパオパ(FANTASY ZONE THE MAZE)


『オパオパ』は、1987年にセガからセガ・マークIII用として発売されたアクションゲームで、日本国外では『FANTASY ZONE THE MAZE』というタイトルで知られています。ファンタジーゾーンシリーズ第3弾に位置づけられており、主役キャラクターであるオパオパを操作する点は共通ですが、ジャンルはシューティングではなく、いわゆる「ドットイート」タイプの面クリア型アクションゲームとなっています。オパオパがまだ修行中の身で、『ファンタジーゾーン』本編より前の時代を描いた前日譚的な位置づけであり、ラウンド数は50面以上と、かなりのボリュームが用意されています。
本作は2人同時プレイにも対応しており、2P側のキャラクターには「ウパウパ」という名前がつけられています。迷路状のステージ内にはお金を表現したドットが配置されており、プレイヤーはそれらを集めながら敵を避けたり対処したりしていきます。このドットは単なるスコアではなく、集めたお金を使ってパワーアップアイテムを購入できるという点で、シリーズらしい要素をしっかりと受け継いでいます。

購入できるパワーアップには、移動速度を上げる「ビックウイング」、煙幕で敵を妨害する「スモーク」、単発弾の「シングルショット」、2連射の「ツインショット」、攻撃範囲の広い「ワイドビーム」、強力な「レーザービーム」、横一列の敵を一掃する「ファイヤーボム」、縦方向の敵を一掃する「ヘビーボム」、一定時間無敵になる「トップパワー」など、さまざまな種類が存在します。スピードアップ系を除き、これらのパワーアップはすべて時間制であり、効果が切れる前に次の行動を考える必要があります。ステージの形はラウンドごとに様々ですが、画面中央付近には敵が出現する丸い窓(ジェネレーター)が共通して配置されており、この窓の中では赤いゲージが徐々に溜まっていき、いっぱいになるとザコ敵が吐き出されます。ゲージが満タンになる前に窓に触れることでゲージをリセットできるため、敵の発生源を管理しながらドットを集めるという、独特のゲーム性が生まれています。

ラウンドには金額の異なるコインが存在し、200ドル、100ドル、50ドルの3種類が配置されていますが、時間の経過とともに価値が下がり、最終的にはすべて10ドルになってしまいます。アイテムの価格は同じラウンド内で値上がりしないものの、シリーズ本編と同じく、購入回数を重ねるほど値段が上がっていく仕組みが採用されており、どのタイミングでどのパワーアップを買うのかといった判断が重要です。
ボーナス面では、暗闇の中で制限時間以内にできるだけ多くのお金を集めるステージが用意されており、プレイヤーは視界の限られた中を駆け回ることになります。また、特定の条件を満たすことで出現する隠れキャラクターも存在し、画面内の敵をコインに変える「スマートボム」や、大量のボーナスを得られる「フリッキー」、画面中のコインがすべて消えてボーナスタイムに変わる「ペンゴ」、残機が増える「タマゴ」など、シリーズファンには嬉しい要素も盛り込まれています。こうした仕掛けにより、シューティングとは異なる形で「お金を集めてパワーアップする」楽しさが表現された作品となっています。
ギャラクティックプロテクター


『ギャラクティックプロテクター』は、1988年2月21日にセガ・マークIII用ソフトとして発売された固定画面シューティングゲームです。FM音源に対応し、パドルコントローラ専用という珍しい仕様を持つタイトルで、1人プレイ時は『ファンタジーゾーン』の主人公オパオパ、2人プレイ時には弟のウパウパが登場します。3機すべて失うか、惑星のダメージカウンターが0になるとゲームオーバーとなり、2人同時プレイにも対応していますが、パドルコントローラを2つ用意する必要があるため、当時でもなかなか条件の厳しいゲームでした。
ゲーム画面の中央には守るべき惑星が描かれており、プレイヤーはその周囲をぐるりと回りながら、四方から迫ってくる敵を撃ち落としていきます。パドルコントローラを左右に回すことでオパオパを惑星の周囲に移動させるのですが、パドルには回せる限界があるため、思いどおりに操作するには慣れが必要です。敵は体当たりで惑星に攻撃を仕掛け、撃つと分裂する敵も存在するなど、見た目はコミカルながらも油断できない挙動をとります。面が進むにつれて攻撃はどんどん激しくなり、少しでも気を抜くと一瞬でゲームオーバーに追い込まれることもあります。

ステージは地球・土星・木星の3種類があり、ラウンド1・4・7…が地球、2・5・8…が土星、3・6・9…が木星というように、3つの惑星が順番に登場し、以降もこのパターンで繰り返されます。地球は表情豊かで、ステージが進むにつれてダメージの様子が変化していきます。土星や木星もユーモラスな表情を見せるデザインとなっており、攻撃が激しくなっていく中でも、惑星のリアクションそのものがひとつの見どころになっています。
点線で描かれた丸いオブジェクトは「パワーアップボール」であり、これを惑星が受けるとパワーアップ効果が発動します。どの効果が得られるかは惑星の種類によって異なり、地球ラウンドでは自機のあとを追いかけて一緒にビームを撃ってくれる「ルーズボール」が付きます。土星ラウンドでは弾速が2倍になる「ハイスピードショット」、木星ラウンドでは3方向に弾を撃てる「3ウェイショット」といった形で、攻撃能力が強化されます。ただし、パワーアップボールそのものが惑星に当たった場合もダメージ扱いとなるため、取り方には注意が必要です。

ゲームの難易度は比較的低めに設定されており、連射装置があればエンディングまでかなり楽に到達できるとされています。一方で、ステージが進むにつれて攻撃が激しくなるものの、登場する敵の種類自体はあまり変化しないため、プレイ感覚がやや単調になる面もあります。それでも、2人同時プレイで協力しながら惑星を守る遊び方をすると、一気に盛り上がるゲーム性を持っています。
面クリア時には惑星のダメージ状況に応じてボーナス点が加算され、ダメージがまったくない「パーフェクト」の場合は「パーフェクト!」という音声が再生されます。ラウンド25をクリアするとエンディングが表示され、静止画1枚の簡素な演出ながら、PSG音源とFM音源の両方でエンディングテーマを聴くことができます。ゲームオーバー画面では壊れたオパオパがリアルなタッチで描かれ、画面中央ではオパオパがくるくる回りながら飛んでいくなど、自機のアニメーションパターンも豊富に用意されています。こうした細かな演出が、固定画面シューティングとしてのシンプルさを補う魅力となっています。
まとめ

『ファンタジーゾーン』シリーズは、パステルカラーの世界観とユニークなゲームシステムを組み合わせ、他のシューティングゲームとは一線を画す存在として長く愛されてきました。自機オパオパを中心に、敵を倒してお金を集め、ショップで装備を購入して強化するという仕組みは、単純な撃ち合いだけではない戦略性をもたらし、プレイヤーごとのスタイルが生まれる独自の面白さを生んでいます。作品ごとにシステムや演出の方向性は大きく変化し、『ファンタジーゾーンII』ではゾーン制やライフ制が導入され、家庭用ゲームとしての遊びやすさと探索性が強化されました。携帯機向けの『オパオパJr.の冒険』では装備変更の自由度が高まり、メガドライブの『スーパーファンタジーゾーン』は初代への強いリスペクトと新要素の融合によって完成度の高い続編となりました。さらに、アクションゲームの『オパオパ』や固定画面シューティングの『ギャラクティックプロテクター』など、派生作もそれぞれ独自の個性を持ちながらシリーズらしさを大切にしています。どの作品にも共通しているのは、色彩豊かな画面、軽快な音楽、そして稼ぎとパワーアップの駆け引きが作り出す中毒性の高いゲーム性です。多様な進化を遂げつつも一貫した魅力を保ち続けたこのシリーズは、今もなお多くのプレイヤーに記憶される名作と言えるでしょう。
ファンタジーゾーンシリーズの一覧





















